スイッチDFの3つのメリット
今回は、高坂晴耶(ミネソタ) (@Minstku) さんのツイートを参考に、スイッチDFの主なメリット3つを解説していく。
①アウトナンバーにならない
②時間的優位
③逆ミスマッチ
①アウトナンバーにならない
メリット①・【アウトナンバーにならない】
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@Minstku) 2017年9月5日
最もポピュラーなメリット。ミスマッチよりアウトナンバーがでると困る場合に多用するのが一般的。ただし高さのミスマッチはローテーションで無くすことができるため、スピードのミスマッチは無く、高さのミスマッチだけが起きる場合も効果的。
このうち、「高さのミスマッチはローテーションで無くすことができる」というのは、Golden State WarriorsのスイッチDFコンセプトで紹介したEmergency Post Switch "Scram"のように、ポストでのミスマッチをオフボール・スイッチで解消する動きのことを指していると思われる。
アウトナンバーからイージー・バスケットをされるのが最も避けたい事態である場合は、(スピード差がありすぎて平面だと一瞬で抜かれてしまう、というわけでもない限りは)ミスマッチを許容してスイッチする方が望ましいといえる。
②時間的優位
メリット②・【時間的優位】
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@Minstku) 2017年9月5日
例えば、アンダー→スリーの場合は「2秒」もあればシュートを打てるが、ピック→スイッチ→ミスマッチ→面取り→1on1、の場合は「6秒」ほど時間を使わせることができる。
追記・それを前提に考えると残り6秒以下のPnRは全てスイッチで守ることが効果的である
追記・「面取り」の場面でローテーションや、フロントを守ってハイローをさせるように促せば6秒に+2秒、時間を掛けさせることも可能。
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@Minstku) 2017年9月5日
追記・残り6秒以下のPnRは全てスイッチされることを考えると、OF側は残り8〜10秒の間にPnRをするべき。
アウトナンバーやギャップからシュートを打つのは極めて短時間で可能な一方で、ミスマッチを攻める場合は、上述の通りオフェンスに長い時間が必要である。
オフェンスの時間制限が存在するため、スイッチDFを使ってオフェンスに長い時間をかけさせることは、結果的に相手のシュートクリエイトを難化させる。また、得点のテンポ自体も抑えられる。
③逆ミスマッチ
メリット③・【逆ミスマッチ】
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@Minstku) 2017年9月5日
今回最も主張したいポイント。
実はスイッチのメリットはディフェンス時だけでなくオフェンスの時でも。自分たちがスイッチをしたことで相手にも強制的にミスマッチをさせることが可能。
例えばこんなシーン↓ルアー(PF)がビール(SG)にマッチアップ。ビールのシュートが外れそのままリムラン。気づけばミスマッチを突いてたはずが逆ミスマッチになった。 pic.twitter.com/zWArjXxKXQ
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@Minstku) 2017年9月5日
ただこれは相手のシュートが外れてマイボールにすることが前提となる。明らかにCのDFが下手くそすぎたり、PGが小さすぎて簡単にポストで得点に繋がるようなミスマッチの場合は効果が薄い。ある程度ミスマッチでも止められること、+当たり前のリムランが当たり前のようにできることが大前提。
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@Minstku) 2017年9月5日
仮にミスマッチを攻められたとしても、トランジションになれば逆にそのミスマッチを利用できるというメリットである。
同じミスマッチであっても、ハーフオフェンスのミスマッチと、トランジション~アーリーのミスマッチでは、後者の方が得点可能性が高いという非対称性があるため、ハーフをスイッチできっちり守った後にトランジション~アーリーを攻めることが出来るなら、"後攻"側が有利になるという側面もある。
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