AI(Iverson Cut)については、現代バスケットボールの基本的な動きの中で紹介した。
今回は、AIアクションを軸にした代表的な各種セットオフェンスをまとめて紹介していきたい。
AI Attack
AI (Iverson Cut) でユーザーに出来たギャップを使って、シンプルにユーザーがドライブを行うという最も基本的なパターン。
Iverson PNR (0:00)
AIユーザー (2) にボールを渡し、二枚目のAIスクリナー (5) がChase気味にAIユーザー (2) にボールスクリーンを仕掛けるパターン。これも極めて基本的なもの。
Iverson Spread (0:49)
AIユーザー (2) がカッティングしてから、一枚目のAIスクリナー (4) が(3にスクリーンを掛けつつ)広がって、二枚目のAIスクリナー (5) がボールスクリーンに向かうというパターン。
AIユーザーのカッティングと、AIスクリナーのポップアウトに合わせてトップのハンドラーでのPNRを行うというのは、AIのよくあるオプションである。
AI Rip (0:00)
AIスクリナーの一枚目がエルボーでボールを受け、その間にAIスクリナーの二枚目がAIユーザーにRipをかけて、ゴール下にカッティングしたAIユーザーにパスが通るパターン。AIユーザーに対して強いディナイがあったときに特に有効。
AI Fade (2:04)
AIスクリナーの一枚目がエルボーでボールを受け、その間にAIスクリナーの二枚目がAiユーザーにFlareをセットするパターン。AI Ripが読まれて二枚目のスクリーンをアンダーされた際に有効なカウンターアクション。
AI Ricky (1:20)
AIスクリナーの一枚目がエルボーでボールを受け、AIスクリナーの二枚目がAIユーザーにPindownを行うパターン。
AI Back
AIユーザーにボールを入れ、ユーザーがコーナーへドリブルダウン。その間にパサーがAIスクリナー(二枚目)にスクリーンを貰ってオープン3P。AIにいわゆるThrowbackというアクションを組み合わせたセットである。(Throwbackについては現代バスケットボールの基本的な動きでも取り上げている。)
AI 4 Throwback
基本構造はAI Backと極めて似通っているが、最後にスクリーンを使って3Pを打つのが1番ではなく4番(AIスクリナーの一枚目)である。どのポジションの選手に3Pを打たせるのかに合わせて、この二種を使い分けると良いだろう。
AI Fist Flare
OKCvsDETから、OKCお馴染み?のAIセット
— 現代バスケットボール戦術研究(MBTR) (@MBTResearch) October 4, 2018
アイバーソンカットから、Side PNR & Flare
FlareではなくStep-up ballscreenを行うパターンもあったはず。 pic.twitter.com/nzabj5Oj78
AIユーザーにボールを入れたのち、
①一枚目のAIスクリナー (4) がボールスクリーンに向かう。
②二枚目のAIスクリナー (5) がトップのプレーヤーにFlare Screenをセットする。
AIユーザーにDFの意識が集中するのを利用したミスディレクションの要素がある。
1/5 Flareに意識が集中したらしたで、AIユーザー (2) のリジェクト・ドライブへの対応が難しくなるという構造もある。
AI Fist Step-up
OKCのスクリメージ観てます。
— センター (@cs_nba_) October 1, 2018
白青どっちのチームもSLOBはこれという感じだった。たぶんシーズンでも多用していくんだろう。
アイバーソンカットからPnR、で終わりじゃなくて更に展開からPnRを始められる、しかもハンドラーの死角からピックが来るので守りづらそう。いいセット pic.twitter.com/FBlsjFfCoz
AIユーザーにボールを入れたのち、
①一枚目のAIスクリナー (4) がボールスクリーンに向かう。
②トップのパサー (1) にボールを戻し、そこに二枚目のAIスクリナー (5) がStep-up (Weakside Step-up)スクリーンを仕掛ける(Step-upについては現代バスケットボールの基本的な動きにも収録済み)。
AI Fist FlareのWrinkle(派生)にあたり、最後のStep-upがミスディレクション的で守り辛い構造になっている。特に2/4 Fistを(スイッチなどで)タイトに守っていると、1/5 Step-upのスクリナーロールへのケアに難が生じやすい。
AI Step
AIユーザーのカッティングの後、
①AIユーザーはコーナーへカット。
②一枚目のAIスクリナー (4) は逆サイドへポップ。
③二枚目のAIスクリナー (5)はハンドラー (1) にボールスクリーンをセット。
AIユーザーおよびポップするAIスクリナー (4) をケアさせつつ、1/5 PNRに移ることで、DFローテーションにストレスを掛ける。
AI Chicago Pin
AIユーザーのカッティングの後、
①一枚目のAIスクリナー (4)がエルボーでボールを受ける。
②ボールサイドでChicago Action (Pindown+DHO) (Chicagoについても現代バスケットボールの基本的な動きに収録済み)。
③Chicagoとタイミングを合わせて、ウィークサイドでPindown。
ChicagoにDFが集中すれば、ウィークサイドのPindownプレーに対して手薄になるという構造になっている。
(追記:2020/1/15)
AI Slice
Same concept from UNCG out of their wheel series. Change the slice screen into a pin for a shooter on the fly: pic.twitter.com/pQcuPiW4Tx
— Jordan Sperber (@hoopvision68) 2020年1月12日
AIアクションの後、サイドチェンジを行い、AIユーザーによるSliceスクリーンを行うオフェンス。
Wrinkleとして、
①Sliceユーザーとスクリナーが役割を入れ替えてInvertを行って3Pを狙うパターン。
②Sliceスクリナーが踵を返し、Staggerへと変貌するパターン。
が挙げられている。
これまでのオフェンス紹介