現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

基本ムーブメント、セットオフェンス、DFシステム、ゾーンアタックなどを日々研究・解説しています。

ファストブレイク/トランジションにおけるClearout、PNRからのClearout

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最近では専ら、ツイッターでの書き込みをtogetterにまとめるという形で情報整理・発信を行っている

今回は、Clearoutに関する二つの拙togetterを紹介しておきたい。

まず最初に、Clearoutについては、以下拙記事で紹介したことがある。

mbtr.hatenablog.com

端的に言えば、ビッグマンがペイントエリアでシールすることによって、アウトサイドプレーヤーのためのドライブコースを確保するプレーのことであり、Seal Screenなどと呼ばれることもある。

 

今回は、特定のシチュエーションに絞ったClearoutをまとめた拙togetterを紹介していく。

 

 

togetter.com

ファストブレイク/トランジションにおいて、ビッグマンが先頭を走り、ペイントエリアでClearoutを行って、早いタイミングでポイントガード等のドライブ&スコアを作り出したパターンをまとめたtogetterである。

 

【追記:2019/5/12】

ファストブレイク/トランジションにおけるClearoutについてまとめた動画を作成したので、こちらも是非ご覧いただきたい。

 → Transition Clearout - YouTube

 

収録ツイートを一部抜粋していこう。

 

 

 

 

 

 

 

togetter.com

上記togetterでは、PNRやDHOを起点に発生した様々なClearoutをまとめている。

共通して一般に言えることは、ボールスクリナーのロール&シール(ダイブ&シール)は、スクリナーにボールが入らない場合でも、Clearoutという形で有効になるのであり、ボールスクリナーは常にこの選択肢を意識しなくてはならないということだ。

よくある”ミス”としては、ロールしてもパスを受けられなさそうだと思って、中間位置に留まってしまうというパターンがある。

実際には、簡単なLobや正面のシール以外にも、ドライブコースを作るシール(Clearout)というオプションがある以上、特にビッグマンがスクリナーの場合は、ペイントエリア深くまで迅速にロールすることが有効になる局面が多い。

 

【追記:2019/5/12】

PNRからのClearoutについてまとめた動画を作成したので、こちらもぜひ閲覧いただきたい。

 → PNR Clearout - YouTube

 

以下に、一部のツイートを抜粋していこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

(上記後半では特に、PNRハンドラーではなく、リプレースしたプレーヤーやDouble Dragでポップしたプレーヤーからなど、第三のプレーヤーによるドライブ、そのためのClearoutというパターンを取り上げている。)

 

 

これらの様々なClearoutを活用することで、ドライブ&スコアを一層創出することが可能となる筈である。参考になると幸いだ。

ファストブレイク/トランジションのクリニック・ノート紹介(アルヴィン・ジェントリー、クリス・マック、マイク・ダントーニ...)

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PICKANDPOP.NETから、これまでいくつかのクリニック・ノートを紹介してきた。過去のクリニック・ノート紹介は以下の通り。

 

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

 

今回は特にファストブレイク/トランジションにテーマを絞ってクリニック・ノートを紹介・解説していこう。

・個人的に注目した部分を抜粋し(太字部分)、それに個人的コメントを付加する。

・抜粋部の翻訳は基本的に意訳気味。

 

pickandpop.net

・(トランジションの際)どちらのサイドで攻めるか決めなければならない。中央部にボールをキープするのは禁物。

――理由についてこのノートには深く書かれていないが、考えられる理由としては①リムランするプレーヤーや、トレイルするプレーヤーのランコースを塞いでしまう、②Drag(トランジションでのボールスクリーン)へスムーズに移行しにくい、といったものが挙げられるだろう。

 

・ウィングプレーヤーはコーナー深くまで全速力で走る。何故か? もしウィングプレーヤーがフリースローラインの高さで止まってしまうと、ウィングDFはドリブルペネトレーションに対して絶好のヘルプポジションを取れてしまう。コーナーに居れば、自分のDFがヘルプに向かった際にワイドオープンショットを打てる。

――トランジションの際にコーナーまで走り切るべきだという話は、他のノートでも繰り返し出てくる基本的かつ共通の注意事項である。

 

f:id:ocum2013-041:20190101135023p:plain

5: レーンをオープンにしたいので、5は逆サイドのブロック(=ウィークサイド・ローポスト)に走り込むよりも、3Pライン外にステイするか、ブロック(=ローポスト)から一歩離れた位置に行くべき。

――後者はともかく、前者(3Pライン外)の提言には少し驚くだろう。しかし後に示すようにダントーニも似たような提言をしていて、コーチ陣的にはそれだけスペース確保の優先順位が高いようだ。ただ、最近ではStretch 4が普通になってきたので、5がDragして4がウィークサイド・ウィングに立つという形なら寧ろ自然と言えるだろう。

4: オンボールDF(=ハンドラーDF)がスクリーンをオーバーせざるを得ないような角度でピックを行う必要がある。(そうすれば、ヘッジDFはドリブルを守るか、ハンドラーとスクリナーの両方を守るかのどちらかを強いられる)

――これは後にダントーニも同じことを指摘している。Dragを簡単にアンダーされてしまうと、攻撃が停滞してしまうからだ。

2: 4のロールに合わせて、ウィングに上がる。(=Roll&Replace)

――基本的なRoll&Replace。トランジションでのDragは迅速にこの形を作れるのが強み。

 

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・2がパスを受けてもバスケットに直接ドライブできなかった場合は、コーナー深くまでドリブルダウンして、ウィングに1を入らせ、1にリターンパスしてからピックに移行する。(4はボールサイド・ポストにダイブしてから、ウィークサイド・ローポストに移動して”Short”、つまり5のロールインへのパス中継(アングルチェンジ・パス)できる位置を取る。)

――1がウィングに入れるようコーナーにドリブルダウンすることと、下手に焦ってポストパスやウィークサイドへのスキップパスを狙わずにウィングに入った1にリターンしてPNRに移行することがポイント。よくあるミスは、①2がウィングに留まってしまい、1が入るスペースがなくなる、②2が焦ってポストパスやスキップパスを狙い、インターセプトされてしまう、の2つであり、これら2つを回避する構造になっている。

2は先ほど同様、5のロールに合わせてウィングへリプレースする。

――後にも触れるが、ジェントリーはsingle-side bump action、つまりコーナーに1人置いた状態からのPNR→Roll&Replaceという動きをかなり重要視しており、いかに素早くかつスムーズにこのアクションにもっていけるかが意識されている。

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・アウトサイドプレーヤーが走り込んだサイドが被ったら、二人目が「押し込んで」、一人目のプレーヤーをウィークサイドコーナーへ移動させる。

――最初に走り込んでいる一人目のプレーヤーが状況に気付かず、二人目が走り込む場所(コーナー)がなくなってしまうというのがよくあるミス。全体の配置を随時把握して、適切なポジショニングを取るべき。

・シューターはボールスクリーンに合わせて動く。シューターDFがロールをtagするのに合わせてリプレースする。single-side bump action(コーナーに一人置いて、サイドピック→ロール&リプレースを狙うプレー)を常に狙う。これにより、シューターDFがどちらかを捨てざるを得ない状況を作る。

――先ほども述べた通り、ジェントリーはこのsingle-side bump actionをいかに作るかを重視している。もっとも、高いカテゴリーでは全体的に同じ認識だと思われる。

・ウィングは十分に外側を走りスペースを広げる。(図の赤の部分)

――物凄く当たり前のことだが、それでもわざわざ言うということは、それだけ重要だということだろう。

 

続きの部分ではDouble DragやStep-up screen、Versus ICEなどより具体的なオフェンス例について論じられているので関心あれば直接読んでみると良いだろう。

 

 

pickandpop.net

リバウンドルールと責任

・4か5がリバウンドを取った場合――取らなかった片方はリムランナーになる。(リムラン=その名の通りリムへ走ること)

 ・リバウンダーはポイントガードだけにアウトレットパスを出す。

   ・このため、ウィングは混乱することなく前に走り出せる。

――確かに誰がアウトレットパスを受けるかで混乱して、アウトレットが出せなかったり、ウィングの走り出しが遅れたりというミスはよくあるもので、これは防止されなくてはならないだろう。

 ・リムランナーは、タッチダウンパスが飛んできた場合の対応を意識しつつ、可能な限り深い場所までシールしに行く。

――余談だが、リムランナーのシールがClearout(Seal Screen)となってポイントガードやウィングのドライブをアシストする場面もよくある。

・1、2、3の誰かがリバウンドを取った場合。

 ・全員が(リバウンドを取ったら)ボールプッシュする。このポジションは全員は交換可能でなければならない。

 ・残り二人のガードは広くスペースを取って走る。両サイドをそれぞれ走る(”Split Sides”)か、同じサイドに二人走る(”Paired Side”)か。

 ・リムランナーを邪魔しないようにするため、コートを横切るのを禁ずる。(このため、ガード二人が同じサイドを走るという状況が発生し得るのである)

――あえてウィングがクロスして走り、相手DFのピックアップを混乱させるという戦術も一応存在することに注意。クロスする戦術も、クロスを禁止する戦術も、それぞれメリット・デメリットがあるということだ。

   ・完全に走り切り、コーナー深くまで行く。

   ・踵をサイドラインぎりぎりまで寄せ、スペースを確保。

 ・4、5が二人で競ってリムランを行う。

・前方へのパスを常に狙う。

 ・前方へのパスからのレイアップ(ウィングorリムランナー)

 ・前方へのパスからのドライブ&キック(逆サイドへのキックパス)

 ・前方へのパスからのポスト(ウィング→ポスト)

ポイントガードは最初のドリブルをミドル方向について、ハーフコートを過ぎる前に前方へのパスを(出すかor出さないか、出すとしてどこに出すか)判断する。

・前方へのパスを出したら、パサーは逆サイドへカットアウトしなければならない。

・前方へのパスは同サイドウィングに出してもいい(”Down the Street”)、逆サイドウィングに出してもいい(”Across the Street”)。

・ただし、ウィング二人が同じサイドに走っている際(Paired Side)は、(レイアップ確実でもない限りは)パスを出してはならない。

・前方へのパスを出せない(出さない)場合は、ポイントガードをハンドラーとしたDrag(トランジションでのボールスクリーンプレー)に移行する。

ポイントガードによる)Drag Screen

・リムランナーは逆サイドの、自分のシュートレンジまで移動。(3Pがレンジなら3Pライン外でも良い。)

ポイントガードによるDragの場合は、Dragスクリナーは(仮にシューターでも)常にロール。

・前方にパスを出してからDragをする場合や、逆サイドにウィングが二人いる場合(Paired Side)は、Dragスクリナーはロールを自分のプレースタイルに合わせて選択。

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他にも、「前方へパスした先のプレーヤーがハンドラーを不得手としているなら、Dragではなくポストパスやハイローを狙え」、「バスケット(リム)周囲ではDFを意識してバウンズパスをしろ」、「リムから2フィート(60cm)で貰ったら、ドリブルせずにそのままスコアに向かえ」など、いろいろと示唆に富む記述があるので興味あれば全編を読んでみると良いだろう。

 

 

pickandpop.net

トランジションでは7-10秒でのオフェンス完成をチームの共有事項としている。

トランジションポイントガードがサイドチェンジするのは好まない。ポイントガードは同じレーンに留まるべきだし、そのために周りはカッティングしてスペースを作るべき。

ポイントガードトランジションにおけるリズム作りが重要。速ければ良いというわけでもない。

トランジションの最初の三歩が大事。遅れはアドバンテージ喪失につながるので、ポゼッションが自分たちに移ったら即座に反応すべき。

・2、3はコーナーに全速力で移動。(広く走るのが鍵)

――誰も彼もが同じことを言っている。

・4がリムランするのは好まない。センターライン寄りかつ広がっているのが好ましい。

――先程触れたようにも、アルヴィン・ジェントリーと同じ提言。それだけスペースメイキングが重要視されているということ。

 

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・(上左図は)ビッグマンにとって自然な角度だが、アドバンテージが作れない。

・(上右図は)望ましいスクリーン角度。ボールハンドラーの下側に回って、ハンドラーDFの裏側("bottom half")からスクリーンをかけることで、ハンドラーDFにオーバーを強要し、(スクリナーDFに対する)2on1を作ることが出来る。

――ハンドラーDFにオーバーを強要する浅い角度のスクリーンセットは、ジョン・ストックトンとカール・マローンのピックアンドロールはもう古い! byコーチPなどでも強調されており重要コンセプト。ただし、ファイトオーバーはされないように注意が必要。

・Dragプレー中にウィークサイドの二人が位置交換するのを好まない。ハンドラーは彼らがシュートの準備をしていることを望んでいるからだ。

――実際のところ、ボールスクリーンプレーにおけるウィークサイドの位置交換は有意義になり得る(参考リンク)ので、一概には言えない。

 

・スクリナーのルールは、ハンドラーDFの裏側にスクリーンセットしてハンドラーDFにオーバーを強要することと、スクリーンにHitさせたら即座にロールorポップに移行すること(Don't "Hold")。

――"Hold" Screenにもハンドラー主体で攻める場合は利点があるのだが、それはそれとして、ダントーニは Early Roll、Early Pop を志向しているということ。この点については、以前拙記事で紹介・解説したこともある。(参考リンク: "P&RからPickを取り去る"という革命

・DHO(ドリブルハンドオフ)では、早めにガードにパスして走ってスクリーンに行った方が良い。

――手渡しにこだわると、手渡し際を狙われてインターセプトされるからだろうか?

・イリーガルスクリーンを吹かれるのはビッグマンのミス。もしハンドラーのドライブのタイミングが早すぎたとしたら、ハンドラーDFを避けてターン&ロールをすれば良いだけのこと。

――ハンドラーがDFを抜けているなら、スクリーンをかけなくてもでもスムーズに2on1に移行できるだろう。

 

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・深い位置でのP&Rを好む。ポイントガードは2の居るサイドに入り(2はウィークサイドへカットアウト)、5はポイントガードを追いかけてボールスクリーンを掛ける。

――ハンドラーの攻めるスペースを増やし、スクリナーのロールへのtagを難しくするというところがメリットと思われる。

 

 

他にも、「狙いはいつも2on1を作ること」、「ボールスクリーンへのBlitzに対してはShort Rollで対応」(※Short Rollについてはこちらを)、「バスケットボールは読みのスポーツ。単に読みを教えるだけでなく、読みを理解し、読みが出来るようになるよう指導するべき」、「NBAのスカウティングも大抵は『相手がこう守ってくるから、ここがオープンになる』というもの」など、色々と示唆的な部分が多いので、関心あれば通読を勧めたい。

 

 

 

pickandpop.net

4:トレーラー

1:サイドライン際でアウトレットパスを受ける

2/3:サイドライン際、バレーボールライン以上に広がる。

5:リムランナー

我々はポイントガードを(ジャンプボール・サークル上を通過させつつ)クロスさせることを好む。

――クリス・マックとは全く逆のことを言っている。横切らせることのメリットについてOtzelbergerは解説していないが、ありそうなメリットとしては、両サイドへバランス良くパスを見ることが出来るといったことが考えられよう。(最初は同サイドへのパスを見て、次にコートをクロスしつつ逆サイドへのパスを見る)

ウィングはコーナーまで走り切ってDFと広げ、ドライブ可能なギャップを最大限作り出すべき。ウィングに止まってしまうと、十分なスペースが生まれない。

――逆のこちらは、どのコーチも雁首揃えて同じことを言っている。

リムランナーはDunk Spot(ベースライン沿いで、ハッシュマークの一歩外)に位置を取り、スペースを広げるべき。

――Dunk Spotは要するに下図の赤丸部分のこと。

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トランジションでどう攻めるかはポイントガードが主導して決定する:

”Hit”…前方のウィングへパス

”Side”…ウィングとDHO

”Swing”…トレーラー(4)を経由してサイドチェンジ

”Drag”…ボールスクリーン

”Flip”…ミドル方向にドリブルしてトレーラーの4とハンドオフ

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――それぞれのより詳細なパターンについては、実際にクリニック・ノートを読んでみることを勧める。

 

 

pickandpop.net

フレッド・ホイバーグのクリニック・ノートは以前既にこちらで取り上げたのだが、改めてファストブレイク/トランジションに当たる部分を取り上げたい。


トランジションについて

トランジションにおける役割は以下の通り

5番=リムに走り込んで、マークマンを打ち倒す(beat your man down the floor)。

4番=リバウンドに向かう。

(4番/5番は相互に役割を交代可能)

2番/3番=指定された走行レーンはない(引用者註:平行に走っても良いし、クロスしても良いだろう)が、コーナー深くまで走り込む必要がある。それによってポイントガードのスペースが生まれる。もしウィングで立ち止まったら、PGのドライブレーンが混雑してしまう。もし1番がマークマンを抜けば、x2(2番のDF)やx3(3番のDF)はヘルプ(ローテーション)せざるを得なくなり、ワイドオープン・コーナー3Pが生まれる。

――この点に関しては、本当に猫も杓子も同じことを言っている。

トランジションで第一にすることは、セカンダリーブレイクに入る前に、素早く得点できるようDFをよく観察することだ。

・我々は、DFがセットされる前にトランジション3Pを打つことを非常に良く好む。

――オープンの3Pを「狙うべきショット」としたら、それが最も実現しやすいのはトランジションであるということはGSWやHOUなどを見てもよくわかることだろう。

トランジションでウィングにボールが入ったとき、インサイドのビッグマンがシールしているかどうかをよく見ておかなくてはいけない。――そうでないなら、ビッグマンを走らせる意味がない。

・我々はスペーシングを毎練習日で練習している。それが一番大事なことだからだ。

・我々はまた、トランジションにおけるDragプレー(=ボールスクリーン)を好む。それは即座にディフェンスへ圧力をかける。

 

 

 

クリニック・ノート紹介はとりあえず以上になる。

全体をおおまかにまとめよう。

・ウィング二人をコーナーへ走らせるのは全コーチ共通

この点に関しては、寸分の狂い無く全てのコーチが、ウィングプレーヤーによるコーナーへの迅速なスポットアップの重要性を主張していた。ドライブorリムラン出来るスペース(ギャップ)を作りつつ、ポイントガードがドリブルエントリーする場所を作るという点で、どのコーチもこのルールを最重要ルールの一つとして強調していた。

また、サイドラインぎりぎりいっぱいに広がる(広がりながら走る)ということも共通した強調事項だった。

・Dragの際、スクリナーは浅くスクリーンを掛けて、ハンドラーDFにオーバーを強要する。

これはジェントリーもダントーニも共通して強調していた。トランジションで迅速に2on1を作ることが、クイックスコアの重要ポイントだということだろう。

インサイドでのスペーシングは、ベースライン沿いで、ペイントからある程度離れた位置(”Dunk Spot”

ジェントリー、及びOtzelbergerが双方述べていたポイント。ドライブやロールのためのスペースを空けつつ、合わせやオフェンスリバウンドを狙えるポジションとして重要。

・4~5番がトレイルするか/アウトサイドにスペーシングするか、ポイントガードが中央を横切るか/横切らないかなど、細かいルールでは”個性”が出る。

どの方針が特別に優れているというわけでもなく、それぞれメリット/デメリットがあるので、各チームの方針に合わせて柔軟に設定すればよいだろう。重要なのは、それぞれのチームできっちりと固有のルールを作り上げ、共有するということである。

 

(以上)

 

 

 

バウンズパス(bounce pass)の有効性と実例

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バウンズパス(bounce pass)は、名の通り、バウンドさせてパスを出すスキルであるが、どのような性質を持ち、どのような場面で有効なのか、実際のシーンを取り上げながら解説していこう。

 

 上記のシーンのように、バウンズパスは、インターセプトを防ぐ、という効果を持っている。DFは通常、直線のパスを想定して、手を体幹の横側に出しつつインターセプトを狙うが、バウンズパスはその裏をかくことが出来るというわけだ。

 

次のシーンを見てみよう。

 ここでは、インターセプトを防ぐ という一つ目の効能に加えて、味方の位置を修正させ、さらにバウンドによってレシーブさせやすくするという、第二、第三の効能があることが明らかになる。

この第二、第三の効能は、これから紹介していくシーンの数々と整合的に扱うため、②プレーヤーが進む先の「空間」に出す、及び③バウンドさせることで、「空間」に出した際に、レシーバーがタイミングを合わせやすい という風にまとめることにしよう。

 

さて、それでは次の3つのシーンをご覧いただきたい。

 

 

 

今一度まとめると

インターセプトを防ぐ(DFは基本的に直線のパスを意識してインターセプトを狙うため)

②プレーヤーが進む先の「空間」に出す(→味方OFが動きの中でレシーブ&スコアしやすい)

③バウンドさせることで、「空間」に出した際に、レシーバーがタイミングを合わせやすい(→レシーブの安定性が高まる)

 

バウンズパスは、使いこなすことが出来れば、インターセプトを防ぎつつ、動きの中での得点を生み出し、なおかつレシーブの安定性(安全性)も高めるという、多くの利点を持っているということになる。

 

 

次はビハインドバックパスとバウンズパスの組み合わせのシーン。

 

 

 ビハインドバックパスをバウンドさせて出すことは、③バウンドさせることで、「空間」に出した際に、レシーバーがタイミングを合わせやすいという利点をより一層有効に活かす、優れたオプションになるというわけだ。

 

 

次は、タッチダウン・パスにバウンズパスを複合させるパターン。

 

 これらのシーンでは、③バウンドさせることで、「空間」に出した際に、レシーバーがタイミングを合わせやすい から発展して、バウンズパスを利用することによって、強いハイスピードなパスと、レシーブ安定性との両立をはかっている。そして、インターセプトし辛く、キャッチミスも少ないタッチダウン・パスを生み出しているというわけだ。

 

最後に、タッチダウン・バウンズ・パスにさらにバックスピンを組み合わせるという発展パターン。

 

 ツイート内でも解説している通りだが、ロブパスならインターセプトされる配置やタイミングでも、バックスピン・バウンズパスなら、インターセプトを回避しつつ、レシーブ安定性も高めながらパスを通すことが出来る(場合もある)。

 

 

おまけ:ジェイソン・キッドはさらに、フロントスピンでゴール下まで転がすという妙技も発揮したことがある。実際に使えることはあまりないかもしれないが。

 

 

2020/3/3 追記 

上述した各種コンセプトと共通するコンセプトを多く紹介していらっしゃる動画として、以下をリコメンド。

www.youtube.com

 

 

 

 

過去のスキル系記事

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

 

 

Stab Dribble / トラップの手法 / これまでのスキル系記事まとめ

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Stab Dribble

The Stab Dribble Basketball First Step (Basketball Immersion blog)

www.youtube.com

Stab Dribbleとは、ボールをキャッチした際に、ステップ無しで、あるいは極めて小さいステップで、(静止やフェイクなしに)即座にボールを足元にドリブルするカウンタードライブ・スキルである。

多くのプレーヤーは、カウンタードライブでは長いファーストステップを用いているだろうが、それに比して、Stab Dribbleはどのような優位性を持っているのだろうか?

Basketball ImmersionのChris Oliverは以下のようなメリットを挙げている。

①Zero Second Philosophyに合致する

プレーヤーが最もオープンな瞬間はボールをキャッチしたその時であり、その瞬間にパス、シュート、ドリブルに即座に移行できることが最善である(Zero Second Philosophy)。したがって、静止やフェイクなしに即座にドリブルに移行するStab Dribbleは、最もオープンな瞬間に攻撃できるという意味で極めて合理的である。

②長いファーストステップは実はスピードの面で不利

競技運動(Athletic Movement)の世界的専門家Lee Taftによると、膝が足よりも前に出ている状態が最も加速に最適であるという理由から、長いファーストステップは(膝が足よりも後ろになってしまうため)加速に極めて不利で、”事実上の休憩に近い”のだという。2歩目以降の速度を最大化するには、1歩目は短いことが好ましいのである。

(※実はこれと同じ理由で、素でダッシュする場合は、蹴り足を後ろに下げた方が2歩目以降の移動距離を最大化できるという話を聞いたことがある。)

③2歩目以降の判断が迅速になる

長いファーストステップのドライブに比べて、突き始めのタイミングも単純なスピードも速い分、ハンドラーに状況判断の余裕が相対的に大きくなるからである。

④直線的なドライブが可能

長いファーストステップのドライブでは最初の進行方向が(ゴールに対して)直線ではないので、ドライブコースが湾曲しがちだが、Stab Dribbleの場合はドリブルの瞬間には進行方向が決定していないため、DFに対する優位が発生している場合は(ゴールに対して)直線のドライブコースを選択することが可能になる。

⑤静止無しで相手にフェイントを仕掛けられる

ジャブステップによるフェイント(※英語ではdeception=欺きと呼ばれる)は、必然的に静止を伴う一方で、Stab Dribbleによる(ドライブ)フェイントは、静止を必要とせずにDFに対する優位を創出する。

⑥トラベリングを抑制する

ステップの前にドリブルを突くわけだから、当然トラベリングのリスクはゼロになる。

 

ちなみに、日本ではこのスキルに「スペインムーブ」という俗称がついていることは一応知っておいても良いだろう。↓

 

 

【解説/見本】絶対トラベリングが取られない技を紹介【バスケ】【スペインムーブ】 - YouTube

 

 

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トラップの手法

pickandpop.net

上記のシャカ・スマート(VCUヘッドコーチ)のクリニック・ノートでは、特にVCUの特色であるプレスDFについて、様々なポイントが網羅的に解説されている。

今回はそのうち、基本的なトラップの手法についての記述をピンポイントにピックアップしてみる。

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シャカ・スマートは、この形のトラップを”Ideal Trap”(理想のトラップ)として示している。

その理由は、サイドラインに寄せることでオフェンスの選択肢を狭めつつ、(前からではなく)横からトラップに向かうことで、ハンドラーを混乱させることが出来るからなのだと言う。

もし横からついていき、前から出てくるトラップだと、ハンドラーは前方への視野とパスコースが確保されてしまう。しかし上図のように、ハンドラーDFが前方を塞ぎ、横からトラップがくる形なら、前方への視野とパスコースは大きく制限されることになる。

 

 

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これまでのスキル系記事まとめ

各記事の内容を示しつつまとめておく。

 

mbtr.hatenablog.com

スクリーンを掴む

レッグスルービハインドパス

バックダウンからのドローファウル

アンダー対策としてのフラットスクリーン

PNRロールインへのアングルチェンジ・パス 

 

mbtr.hatenablog.com

DHOの基本オプション――DHO Shot vs Under / DHO Through ./ DHO Reject / DHO-PNR / DHO Invert (Inverted Ballscreen)

 

mbtr.hatenablog.com

Relocate

Cross Screen Counter……Lob / Seal

 

mbtr.hatenablog.com

①静止状態からのプレー(ステーショナリー・プレー)及びジャブ・シリーズ

LEFT PIVOT / PROTECT THE BALL / LOW "RIP THRU" / EXPLOSIVE "RIP THRU" / HEAD BELOW THE SHOULDER / HIGH "RIP"

JAB SERIES……”RIP & GO” / ”RIP & GO, TIGHT SPIN” / ”JAB RIGHT, GO LEFT” / "JAB RIGHT, GO LEFT, TIGHT SPIN" / "JAB, JUMPER" / "HIP JUMPERS" / ”MELO SPIN” / ”QUICK GO LEFT” / "STEPACROSS, RIP & GO" / "STEPACROSS, JAB RIGHT, GO LEFT" / "STEPACROSS, JUMPER" / "STEPACROSS, QUICK GO LEFT" / "SPEAR MOVE"

②ポストムーブ指導テープ

POST PLAY FUNDAMENTALS……GOAL=”Get Middle” / STEP #1: "CATCH" / STEP #2: "LOOK" - "LOOK" Quick Attack - "LOOK" Re-Post / STEP #3: "GO" - GO "THRU" THEM - GO "AROUND" THEM - "LOCK'n LOB"

POST SERIES……

”GET MIDDLE” SERIES

"MIDDLE QUICK" / "MIDDLE JUMPHOOK" / "MIDDLE JUMP SHOT" / "MIDDLE UP n' UNDER" / "MIDDLE COUNTER" / "MIDDLE COUNTER" (BASELINE UP n' UNDER) / "ARMBAR SPIN" / "ARMBAR SPIN" (Off the Dribble) 

"HIGH SIDE" SERIES

"HIGH SIDE & GO" / "HIGH SIDE COUNTER" / "HIGH SIDE JAB JUMPER" / "HIGH SIDE JAB MIDDLE GO BASELINE"

"LOW SIDE" SERIES

"LOW SIDE & GO" / "LOW SIDE COUNTER" / "LOW SIDE JAB JUMPER" / "LOW SIDE JAB BASELINE GO MIDDLE"

……”SHOULDER FAKES” / "STEP THRU's & EXTRA PIVOTS"

③ガードのフィニッシュ(フローター、ランナーetc)

FLOATERS (One Foot) / FLOATERS (Two Foot) / "EURO" STEP / "GIVE & TAKE" MOVE / BASELINE REVERSE / BASELINE OPEN REVERSE / MIDDLE REVERSE / CIRCLE UNDER / CIRCLE UNDER (Assists) / SHOT FAKES / EXTRA PIVOTS / TIGHT SPINS / TIGHT SPINS &PIVOTS / SHOULDER DRIVE OFF / JUMP INTO THE DEFENDER /  INITIATE CONTACK

④ピック&ロール・テープ

"FUNDAMENTALS"……"SPOTS" (SPR) / SPOTS" (HPR) / "SPOTS" ('Angle') / "SPOTS" (Drag) / "SETUPS" (Off the Dribble) / "SETUPS" (Off the Catch) / "SHOULDERS" /  "SPACE" / "KEEP THEM ON YOUR BACK" / "BLUE" ATTACK

”READS”……"SOFT SHOW" - GO UNTIL STOP US / "HARD SHOW" / "UNDER FOOTRACE" / "UNDER STOP BEHIND" / ”UNDER RE-SCREEN” / "UNDER CHANGE DIRECTION" 

……"BINGO" / "LOOSE & SPLIT" / "LOOSE & OUTSIDE" / "LOOSE POCKET J" / "BLUE & SPLIT" / "BLUE & OUTSIDE" / "BLUE POCKET J" / "BLUE, STILL GET MIDDLE""BLUE, STILL GET MIDDLE" / ”SWITCH & DRIVE”

⑤ピック&ロールからのパス

"ROLL"……EARLY PASS / LOB - LOB PASS / POCKET PASS / LATE PASS / DEEP DRIVE, LATE PASS / THRU YOUR LEGS PASS / THRU THEIR LEGS PASS

"POP"…… BEHIND BACK PASS / REVERSE PIVOT PASS / DEEP DRIVE, LATE KICK / POCKET PASS / JUMP PASS

"REPLACE"……CORNER TO WING / WING TO TOP / SLOT

"DRIVE & KICK" (D&K)…… DIME DUNKER, STRONGSIDE /  DIME DUNKER, WEAKSIDE / DIME DUNKER, WEAKSIDE LOB / BASELINE LOB / WEAKSIDE CORNER / STRONGSIDE CORNER / SLOT vs NAIL HELP / DEEP DRIVE, LATE KICK / DRRIBLE THRU / EARLY KICK / DRIVE THE SWITCH / STEP UP TO TOP / STEP UP TO SLOT / STEP UP BASELINE DRIFT

……"HOOK PASS" / "WEAK HAND PASS OFF DRIBBLE" / WRAP ARROUND" PASS

 

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①STEVE NASH PICK & ROLL SETUP + ANGLE HIPS

CREATING SPACE VS ICE /  GLIDE HESITATION /  SKIP HESITATION / HIP SWIVEL / DRIVES HARD & CHANGES DIRECTION - CUTS BACK VS UNDER / BULLDOG / BACK DOWN / SPIN DRIBBLE / PIVOT 

HIP TO HIP / HOSTAGE DRIBBLE / SNAKE SCREEN / CUTTING ANGLE

②STEVE NASH Pick & Roll Passing

"PATIENCE"……HOSTAGE DRIBBLE / ON A VEER [EMERGENCY SWITCH] THROWS LOB / CHANGES SPEED IN THE LANE, FORCES SCREENER D TO VEER /  AFTER SNAKING, NASH USES PIVOT, RIPS EAR TO EAR, POSTS SMALL

WINDOWS & POCKETS”……EAR PASS / PIVOT TO CREATE PASSING LANE / BEHIND BACK PASS /  BETWEEN DEFENDER'S LEGS / BALL FAKE / SHOT FAKE / JUMP→ANTICIPATES CONTEST→BOUNCE PASS

”READING THE D”……NO TAG→THROW LOB / LOWEST MAN TAG→OVERHEAD SKIP PASS / HIGH TAG→HOOK PASS TO DEAD TOP / DRAWS TWO→NEXT PASS

"FREEING TEAMMATE"……HEIGHT OF DRIBBLE WITH POCKER PASS, FREEZES DAMPIER / SCREENS GAP HELP ON EXIT CUT / STRINGS OUT SCREENER D EAST WEST / NO LOOK PASS FREEZES TAG

③Steve Nash SCORING IN THE PAINT

PIVOTS / HIP TO HIP - INSIDE SHOULDER / SPIN / CUTBACK / HIGH OFF GLASS / EURO / EXTENSION ONE FOOT / EXTENSION TWO FOOT / BABY HOOK / RUNNNER / FREEZING D

 

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Pindownからのパス……LOB - NO DRIBBLES / WHIP - NO DRIBBLES / POCKET PASS - NO DRIBBLES / OVER TOP BOUNCE / FAKE SHOT / POCKET PASS - ONE DRIBBLE / WHIP - ONE DRIBBLE / LOB - ONE DRIBBLE / SCREENER SLIPS

 

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Become A Lockdown Defenfer

Basketball Training & Drills From NBA Skills Coach Drew Hanlen

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Attention to Detail

ボールスクリーン・モーション紹介 / "Dive Switch" vs ボールスクリーン・モーション

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今回は、所謂ボールスクリーン・モーションについて、その基本趣旨やパターンを題材として記事を書こうと思う。

 

まず、ボールスクリーン・モーションとは何か?

goldstandardlabo.com

これはその名の通り、連続するボールスクリーンの中でチャンスを作り出そうとするオフェンスです。基本的な原則は、

・キックアウトからパスを受けた際のシュート。カウンタードライブはOK
・トップからサイドにパスを出した後はコーナーへ切れる
インサイドプレイヤーが外でボールを受け、チャンスを作れなかった場合はハンドオフ。もしくはウィングにパスして、すぐボールスクリーンに移行する
の3つになります。

 当該記事で紹介されているのは、ボールスクリーンからのRoll&Replaceを利用した極めてシンプルでベーシックな形でのボールスクリーン・モーションである。(詳しいところは当該記事を通読して欲しい)

今回解説するのは、各チームの特色を持った、発展的なボールスクリーン・モーションのパターン(Ball Screen Motion Specials)の紹介記事だ。

pickandpop.net

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2 Get

f:id:ocum2013-041:20181031233332p:plain

DHO+PNRからサイドチェンジ → サイドチェンジした先でもDHO+PNR → ボールスクリナーの5がオフボールスクリーンをかけて、最後に4にオープンで持たせる(Throwbackの形)。(DHO+PNR、Throwbackといったムーブメント用語についてはこちらの記事を→現代バスケットボールの基本的な動き

 

Backdoor

f:id:ocum2013-041:20181031234008p:plain

ボールスクリーンからのサイドチェンジ → DHO Reject (Backdoor)から、二人目もさらにBackdoor

このパターンは後半で”Backcut the switch-denial”という形で再紹介するが、掻い摘んで要点を言うと、一人目のBackdoorをスイッチで対応してきた際に、二人目のBackdoorでさらに裏をかくという構造になっている。

 

Chest

f:id:ocum2013-041:20181101000426p:plain

ボールスクリーンからのサイドチェンジ → ウィングのバックドアとコーナーからウィングへのリプレース(Backdoor&Replace) → Floppyに移行。

現代バスケットボールの基本的な動きのFloppyの項でも示したように、この場合シューターはどちらのサイドへSpot upしても良い(もう片方はそれに合わせて逆側へ)。

 

Cross Screen (Cross Screen / Down Screen)

f:id:ocum2013-041:20181101001236p:plain

ウィングにパスしてヘルプサイド・コーナーへカットアウト → ボールスクリーンからサイドチェンジ → Backdoor&Replace → Cross Screen / Down Screen (STS)

ボールスクリーン・モーションから、伝統的なCross Screen / Down Screen型のSTSアクションに移るプレー。

 

Flare

f:id:ocum2013-041:20181101001624p:plain

ボールスクリーンからのサイドチェンジ → DHO (ヘルプサイドではウィングとコーナーの位置交換) →再びサイドチェンジしてボールスクリーン & ヘルプサイドでFlareをセット。

二度のサイドチェンジでDFにストレスを掛けつつ、Flareに際してミスディレクションになるようにデザインされているプレー。

 

Floppy

f:id:ocum2013-041:20181101002112p:plain

ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&Replace → ボールスクリーンからのFloppy

Backdoorした3がFloppyアクションを通じて再びウィングにSpot upしてくるプレー。Backdoorからのカットアウトを予想しがちなDFの虚をつくものであり、2と5のボールスクリーンとも同時並行であるから守り辛いものになっている。

 

Gonzaga Comeback

f:id:ocum2013-041:20181101003149p:plain

ウィングにパスしてからヘルプサイド・コーナーにカットアウト → ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&Replace (Backdoorした3はヘルプサイド・コーナーへカットアウト) → ボールスクリーンからトップの4経由でロールした5に入れる。

Dropディフェンスやショウディフェンスなどによって、x5 (5のマークDF)による5のロールへの対応が遅れ、5に深い位置でのSealを許してしまいがちなのを利用したプレー。

 

Gonzaga Double

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ウィングにパスしてヘルプサイド・コーナーへカットアウト → ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&Replace (Backdoorした3はヘルプサイド・コーナーへカットアウト) → Double Drag

ボールスクリーン・モーションからDouble Dragに移行するプレー。4と5の初期配置に合わせて、先述の"Gonzaga Comeback"と使い分けるのが重要になりそうだ。

 

Loop

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エルボーにボールを入れてからハンドオフ (その間にボールサイドコーナーの3はヘルプサイド・コーナーへカットアウト) → DHO+PNR → 5のRoll & 4のReplace

 

Luke Option

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ウィングにパスしてヘルプサイド・コーナーへカットアウト → ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&Replace → Cross ScreenとDown Screenを4が選択。

先ほど紹介した"Cross Screen (Cross Screen / Down Screen)"と基本構造はほぼ同じで、クロススクリーン・ユーザーがダウンスクリーンを選択するオプションが追加された形と理解すると良い。(それもまた、伝統的なCross Screen / Down Screen STSアクションの典型的な派生形ではある)

 

Misdirection Double

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ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&ReplaceからのDHO → Backdoorした2に対するDouble Stagger

典型的なボールスクリーン・モーションの形から、Backdoorから逆方向に切り返してDouble Staggerを使うという、まさに文字通りMisdirectionの要素のあるStaggerセット。

 

Rip (Misdirection Rip)

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ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&ReplaceからのDHO → Backdoorした2に対するDouble Staggerをセット → 2が4に対してRip

先述の"Misdirection Double"のWrinkleにあたる。Staggerをセットしつつ、StaggerスクリナーにRipを仕掛けて相手の虚を突く形は昨今割とCommonになりつつあるので要注意。

また、動画にあるように、2がRipの後に5のスクリーンを貰う形(RipからのSTS)にも発展する。

 

Misdirection Step-up

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サイドチェンジからのウィング・コーナーの位置交換 → ボールスクリーンからのサイドチェンジにStep-up (Weakside Step-up) を組み合わせ

ボールスクリーンやDHOからのサイドチェンジ → Weakside Step-upという形は、極めてシンプルでありながら守り辛いので、極めて多くのチームで採用されているオフェンスコンセプトである。

 

NZ Rip (New Zealand Rip)

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ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&Replace → DHO+PNRにRollへのRipをセット → RipスクリナーへのSTS (ボールスクリナーの4によるSTSなので、Throwbackの要素もある)

DHO+PNRのRollにRipを仕掛けるという点は、発想はSpain P&Rに似る。そこにさらにSTSをセットするというかなりHigh Designedなプレー。

 

Reject

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Backdoor&Replace → ボールスクリーンからリジェクト・ドライブ → ボールスクリナーの4が、先ほどBackdoorした3にスクリーンをセットして3にReplaceさせる

通常この形のリジェクト・ドライブに対しては、素直に4がポップしてReplaceすることが多いのだが、それをあえてBackdoorした3にReplaceさせるところが特色。

 

Shallow BS

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ボールスクリーンからのサイドチェンジ → 4がドリブルでトップからウィングへ、それに合わせて2がウィングからトップにReplace → トップの2に戻してWeakside Step-up

素直に4と3のDHOになると思わせておいて、トップに戻してStep-upを行うというミスディレクションの要素が特長。

 

Shallow Flare

f:id:ocum2013-041:20181101013148p:plain

ボールスクリーンからのサイドチェンジ →4がドリブルでトップからウィングへ、それに合わせて2がウィングからトップにReplace → 2のトップへのReplaceに合わせて、5がFlareをセット

先ほどの"Shallow BS"のWrinkleにあたる。x2 (2のマークDF)が2に対してタイトに付いていたら"Shallow BS"、x2が2を離してヘルプ重視のスタンスを取っていたら"Shallow Flare"が有効になるという構造だろう。

 

UCLA

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ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&Replace → Replaceした3にパスしてから、Backdoorした2によるUCLAスクリーンセット → 2のポップにパスしてStep-upに移行

x2が5のUCLAカットをワンケアしなくてはならない関係上、その次のStep-upへの対応に遅れが生じる構造。

余談になるが、このプレーのように、UCLAスクリナーにアウトサイド、UCLAユーザーにビッグマンを置く形はかなりCommonなものになりつつある。基本的にビッグマンをダイブさせた方が効果的であることに加えて、仮にスイッチが発生したときに、ペイントにサイズミスマッチ、アウトサイドにスピードミスマッチが迅速に作れるからである(スクリナーとユーザーが逆だと、ペイントにスピードミスマッチ、アウトサイドにサイズミスマッチが出来ることになり、ミスマッチを攻めるのが難しくなってしまう)。

 

NKU UCLA (UCLA NKU)

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サイドチェンジ → ボールスクリーンからサイドチェンジ → Flare Screen → FlareユーザーにパスしてからUCLA

厳密には、2が素直に5にUCLAスクリーンをセットするというより、Flareスクリーンをセットした状態をキープして、いわばScreen your own man気味にステイしつつ5のダイブをアシストする形。(Screen your own manなどのスイッチDFアタッキング・コンセプトについては、スイッチDFの攻略法、及びスイッチDFの攻略法 追加をどうぞ)

x2による5のダイブのケアを許さないので、5のダイブに比較的オープンでパスが通りやすいという構造になっている。

 

V

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ウィングにパスしてヘルプサイド・コーナーへカットアウト → トップにパスしてからDHO Reject (Backdoor) → 元のサイドへリターンし、BackdoorしたプレーヤーにFlareをセット。

Backdoorしたプレーヤーに逆方向へ切り返させて、そこにスクリーンをセットするという発想は、先述の"Floppy"や"Misdirection Double"と共通するものがある。

(なお動画では、先述の"Backdoor"のパターン、つまり2人のBackdoorが発生するパターンからの"V"が紹介されている)

 

Weak Pin

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DHO+PNRから、ウィークサイド(ヘルプサイド)のPindown (Away) へとパスを出すプレー。

DHO+PNRに対してヘルプポジションが組まれていることを利用して、シンプルなPindownを効果的に攻めるというコンセプト。

 

Whip Post

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サイドチェンジしてからウィングとコーナーの位置交換 → ボールスクリーンからのサイドチェンジ → Backdoor&Replace → Replaceした1経由で、Backdoorした2のPost Sealにボールを入れる。

アウトサイドプレーヤーのPost Sealを容易に狙える構造。

 

 

ボールスクリーンからのサイドチェンジ」が多くのプレーで頻用されているが、このサイドチェンジをディナイすると、ボールスクリーンに対するローテーションが厳しくなるので、高い位置までディナイは基本的には発生しない。

このため、レシーバーが十分に高い位置にポジショニングしている場合は、ボールスクリーンからのサイドチェンジやDHOからのサイドチェンジは大抵は安全に通ることになる。

 

 

 

 

 

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ボールスクリーン・モーション対策としてのDive SwitchというDFコンセプトの紹介。

ボールスクリーン・モーションでは、既に前半で見てきたように、以下の様な形から『ウィングのBackdoor&コーナーからウィングへのReplace』というアクションを起点にしたオフェンスが展開されるパターンが多い。

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上図のように、Backdoorに対して無策だと、Backdoorに簡単にパスが通ったり、コーナーからReplaceしてきたプレーヤーがワイドオープンになってしまったりする。

 

これに対して行われるがDive Switchである。

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図のように、ベースライン側のDF(low guy)がダイブをケアし、コーナーからウィングへリプレースしてくるプレーヤーには、ウィング側のDF(”high” defender)がマークする。

これによって

・ベースライン側のDF(low guy)は、ウィークサイド(ヘルプサイド)のリム周辺のヘルプスポットをより長くキープすることが出来る。

・ウィング側のDF("high" guy)は、ディナイの継続によって相手のオフェンスタイミングを混乱させることが出来、ICEなどを用意するだけの猶予を作れる。(ICEといったボールスクリーン系用語については、拙記事「ボールスクリーン」及び当該記事の参考リンクをご覧いただくと良い)

 

尚、Dive Switchに対しては、以下のように「リプレースしてきたプレーヤーのさらなるバックカット」がカウンターコンセプトとして存在しており、これについては特別に警戒する必要がある。

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過去のボールスクリーン関連記事一覧

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バスケットボールおすすめYoutubeリスト紹介

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今回は、バスケットボール・スキルに関するおすすめのYoutubeリストを紹介していく。

 

Become A Lockdown Defender - YouTube

相手を”封殺”(Lockdown)するためのDFスタンスやスティールの手法について、実際のNBAの場面を引用しつつ解説してくれている動画。

特に、DFスタンスに関する以下2動画は必見と言えよう。

www.youtube.com

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P.S. これらの動画シリーズについては、Be a baller - YouTubeチャンネルにて、一部和訳されているので、そちらをご覧になるのも良い。

相手に何もさせないディフェンス【和訳】/forward stance - YouTube

「相手を守る時は、ただ下がり続けなさい」/【和訳】Upward Stance - YouTube

【和訳】NBA選手のスティールの仕方 - YouTube

Be a ballerチャンネルでは、他にも海外のスキル動画の和訳がされており、そちらを視聴するのもおすすめ。→ 和訳シリーズ - YouTube

 

 

Basketball Training & Drills From NBA Skills Coach Drew Hanlen - YouTube

NBAのスキルコーチ:Drew Hanlenによる、基本スキル解説動画。

ジャンプショット、(ジャンプショット以外の)フィニッシュ、ドリブルなどにフォーカスを置いて、かなり分かりやすく(←英語だが…)ムーブの解説をしてくれている。

特にジャンプショットについての解説動画では色々と示唆的なデータについて紹介してくれる――――「NBAのトップシューター達についての研究において、腰を回転させずに着地するシュートの確率は64%だが、腰を回転させて着地した場合のシュートの成功率は44%までに落ちる」、「両足で着地しなかった場合は、何と32%にまで低下」、「ステファン・カリーは90%以上のシュートを腰を回転させながら打つ。人々はカリーの真似をしたくなるかもしれないが、彼の残り10%の、腰を回転させないシュートでの成功率は実に70%を越えている。腰を回転させないシュートがベターなのは、カリーにおいても例外ではない。」

以下、いくつかの動画をピックアップ。

www.youtube.com

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Must-Watch Basketball Training Videos - YouTube

上記で紹介したCoach Drewも含めた、幾人かのコーチによるスキル&トレーニング紹介動画集。(※上記のDrewのリストと被っている動画もいくつかある)

いくつかピックアップしてみよう。

www.youtube.com

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#AskCoachDrew - YouTube

既に②、③で取り上げているCoach Drewが質問対応を行っているコーナーの再生リスト。

おすすめ動画を二つピックアップしておく。

www.youtube.com

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※Veer Finishについては、以下動画で実際の運用例が見て取れる。

www.youtube.com

 

 

Attention to Detail - YouTube

このリストでは、NBAの各選手のプレーや、あるコンセプトに沿った選手達のプレーがピックアップ&ブレイクダウンされている。

いくつかおすすめのものを紹介。

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以上。

 

 

バスケットボール関連リンク紹介記事一覧↓

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代表的なAIセットまとめ

AI(Iverson Cut)については、現代バスケットボールの基本的な動きの中で紹介した。

 

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今回は、AIアクションを軸にした代表的な各種セットオフェンスをまとめて紹介していきたい。

 

AI Attack

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AI (Iverson Cut) でユーザーに出来たギャップを使って、シンプルにユーザーがドライブを行うという最も基本的なパターン。

 

 

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Iverson PNR (0:00)

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AIユーザー (2) にボールを渡し、二枚目のAIスクリナー (5) がChase気味にAIユーザー (2) にボールスクリーンを仕掛けるパターン。これも極めて基本的なもの。

Iverson Spread (0:49)

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AIユーザー (2) がカッティングしてから、一枚目のAIスクリナー (4) が(3にスクリーンを掛けつつ)広がって、二枚目のAIスクリナー (5) がボールスクリーンに向かうというパターン。

AIユーザーのカッティングと、AIスクリナーのポップアウトに合わせてトップのハンドラーでのPNRを行うというのは、AIのよくあるオプションである。

 

 

www.youtube.com

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AI Rip (0:00)

AIスクリナーの一枚目がエルボーでボールを受け、その間にAIスクリナーの二枚目がAIユーザーにRipをかけて、ゴール下にカッティングしたAIユーザーにパスが通るパターン。AIユーザーに対して強いディナイがあったときに特に有効。

AI Fade (2:04)

AIスクリナーの一枚目がエルボーでボールを受け、その間にAIスクリナーの二枚目がAiユーザーにFlareをセットするパターン。AI Ripが読まれて二枚目のスクリーンをアンダーされた際に有効なカウンターアクション。

AI Ricky (1:20)

AIスクリナーの一枚目がエルボーでボールを受け、AIスクリナーの二枚目がAIユーザーにPindownを行うパターン。

 

 

AI Back

www.youtube.com

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AIユーザーにボールを入れ、ユーザーがコーナーへドリブルダウン。その間にパサーがAIスクリナー(二枚目)にスクリーンを貰ってオープン3P。AIにいわゆるThrowbackというアクションを組み合わせたセットである。(Throwbackについては現代バスケットボールの基本的な動きでも取り上げている。)

 

 

AI 4 Throwback

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基本構造はAI Backと極めて似通っているが、最後にスクリーンを使って3Pを打つのが1番ではなく4番(AIスクリナーの一枚目)である。どのポジションの選手に3Pを打たせるのかに合わせて、この二種を使い分けると良いだろう。

 

 

AI Fist Flare

 

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AIユーザーにボールを入れたのち、

①一枚目のAIスクリナー (4) がボールスクリーンに向かう。 

②二枚目のAIスクリナー (5) がトップのプレーヤーにFlare Screenをセットする。 

AIユーザーにDFの意識が集中するのを利用したミスディレクションの要素がある。

1/5 Flareに意識が集中したらしたで、AIユーザー (2) のリジェクト・ドライブへの対応が難しくなるという構造もある。

 

AI Fist Step-up

 

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AIユーザーにボールを入れたのち、

①一枚目のAIスクリナー (4) がボールスクリーンに向かう。 

②トップのパサー (1) にボールを戻し、そこに二枚目のAIスクリナー (5) がStep-up (Weakside Step-up)スクリーンを仕掛ける(Step-upについては現代バスケットボールの基本的な動きにも収録済み)。

AI Fist FlareのWrinkle(派生)にあたり、最後のStep-upがミスディレクション的で守り辛い構造になっている。特に2/4 Fistを(スイッチなどで)タイトに守っていると、1/5 Step-upのスクリナーロールへのケアに難が生じやすい。

 

 

AI Step

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AIユーザーのカッティングの後、

①AIユーザーはコーナーへカット。

②一枚目のAIスクリナー (4) は逆サイドへポップ。

③二枚目のAIスクリナー (5)はハンドラー (1) にボールスクリーンをセット。

AIユーザーおよびポップするAIスクリナー (4) をケアさせつつ、1/5 PNRに移ることで、DFローテーションにストレスを掛ける。

 

 

AI Chicago Pin

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AIユーザーのカッティングの後、

①一枚目のAIスクリナー (4)がエルボーでボールを受ける。

②ボールサイドでChicago Action (Pindown+DHO) (Chicagoについても現代バスケットボールの基本的な動きに収録済み)。

③Chicagoとタイミングを合わせて、ウィークサイドでPindown。

ChicagoにDFが集中すれば、ウィークサイドのPindownプレーに対して手薄になるという構造になっている。

 

(追記:2020/1/15)

AI Slice

 

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AIアクションの後、サイドチェンジを行い、AIユーザーによるSliceスクリーンを行うオフェンス。

Wrinkleとして、

①Sliceユーザーとスクリナーが役割を入れ替えてInvertを行って3Pを狙うパターン。

②Sliceスクリナーが踵を返し、Staggerへと変貌するパターン。

が挙げられている。


 

 

これまでのオフェンス紹介

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