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前回のおすすめHalf Court Set / Horns Set (Elbow Series) /ATO Set 紹介に引き続き、BLOBセット(いわゆるエンドセット)を紹介していく。
前記事に引き続き繰り返しになるが、ムーブメントの用語は、現代バスケットボールの基本的な動きに準拠しているため、併読することをおすすめする。
BLOB
"LA" (0:00)
逆サイドウィング(2)に水平なStagger(Flat Double)をセット。(この形は各チームのBLOBで超頻出)
2のバックドア・オプション(4と5の間をスプリットするパターンもある)を常に狙いつつ、基本線では1→2→4パスからの2→1ダウンスクリーン ⇒ 4→1ハンズオフという展開を狙う。
1→4パスから直接4の3Pを狙うパターンもある他、3のマークマンが中に寄りすぎていたら即座に3に出して3Pを撃つ(あるいは3&5でオフェンスする)というオプション("Dummy")も意識しておかなくてはならない。
他の形としては、4→1ハンズオフの後、4が2へダウンスクリーンを掛けるという形がある。(Los Angels Clippers "52 Base")
また、最初の1→2のパスアウトの後に4→2Fist、あるいは4→5スクリーンからの5→2Fistといった形もある。(Utah Jazz"Double into PNR") (Denvar Nuggets "Flat Double")
"Rip" (1:44)
2→3のRip、4→2のSTSを起点とし、5→1のPindownで終わるBLOB。
「最初に5がウィングにSpot upしてペイントエリアのスペースを広げる」
「4がいつでもダイブできる態勢を取る」
「3は最初は水平にカッティングするフェイントを入れる」
といった様々な工夫がある。
2→3のRipから、4&5→2のSTS&Double Screenという形もありえる。(Houston Rockets "Backscreen Double")
"Elevator" (2:38)
1-2-4-5のラインから、1と2の(4&5ダブルスクリーンを使った)ボールサイドカット("Stack Double")を起点に4&5→1のElevator doorをセットする形のBLOB。
最初の二つのボールサイドカットを相手にケアさせ、DFを収縮させることで最後のElevatorへのケアを難しくさせている。
逆サイドへのAway Screenから、オープンになったスクリナーへパスする形。
Celticsはこのまま5のシュートでフィニッシュしているが、他の動きとの組み合わせも期待できるフォーメーションだろう。
3 Rip (2:03)
5を逆ウィングに置き、1-2-4ラインを作る。
2が同サイドコーナーにSpot up、4が逆サイドポストにPost up、1→5スクリーン。
1→5のスクリーンは、相手のケアの仕方次第では5のダイブも有効になるだろう。(Milwaukee Bucks "Three")
基本的に相手はダイブを警戒するので、図のように5がフレアしてボールを受ける。
次に5→1のハンズオフと3→4のスクリーン。
4にボールを入れる基本線以外にも、3と4がClearoutして1がペネトレイトするオプション、ロールする5に入れるオプション、5→3のスクリーン(STS)などが考えられよう。
One Out (5:39)
1→4スクリーンからの5→1スクリーン(STS)を基本線にしたBLOB。
ファーストチョイスは1の3Pだが、1のカウンタードライブ、5のDFがチェックを試みた場合の5へのパスなども狙えるし、最初に3→4のパスから4&2のオフェンスに展開するという方向性も考えられるだろう。
Baseline Double (7:47)
1→4→3でトップにボールを置いてから、2→1スクリーンと4&5→2のSTS&Staggerを作る形。
2のCurlと5のスクリーンの二段構えで4が確実にパスアウトを受けられるように仕向けているところが良いし、STSとStaggerを組み合わせるという発想も秀逸なもの。
この後の展開としては、5が逆サイドにPost upしてからの4→2のChaseなどが考えられるだろう。
Three Comeback (9:40)
4のコーナーSpot up、3→2スクリーンからの5→3 STSという形。
4-3-5の並びはある程度ランダムでも機能する。
4、2、3のケアを万全にすると5のSlip inなどに対応困難になるというところもミソ。
Triangle (11:44)
2→4 Ripと5→2 STSが基本線。
スクリナーの5のギャップも狙える他、右図のように、4が逆を突くパターンもあり、極めてシンプルであるにも関わらず守りにくいフォーメーションになっている。
また、1→2→5、1→4→5という合わせの形も頻出かつ重要。
他にも、基本の形をまったく逆にして、ヘルプサイドのコーナーへパスアウトする形もある。(Memphis Grizzlies "Base Weak")
Funnel (16:35)
左図は3&5→2のStaggerと4→3のSTSの組み合わせである。
右図はその逆を突き、2と3が本来の逆の方向へカッティングするパターン。(基本的には、2のカッティング方向に合わせて3がその逆へ動くという形になる)
相手の読みに合わせてフレキシブルに使い分けることができる。
3が裏側へシールし、そこにロブパスを飛ばすパターンと、3がカットアウトすると見せかけて再びCurlをしかけるパターンの二つがある。
極めてシンプルな動きであるが、2と4のスペーシング及びDecoy(2と4の間でのスクリーンを掛けるフェイクや、2と4の位置交換など)と、5がいつでもダイブできる態勢をとっていることにより、容易に3にボールが入る形になっている。他チームもたびたび模倣しているプレーである。
先に挙げたDummy Curlを1stオプションとしつつ、その後の展開を狙ったもの。
5→1のDHOと4→2Ripの組み合わせ。
もちろん、これ以外にも様々なDummy Curlからのパターンがありうるだろう。
例えば、5→1のDHO後に、3がカットアウトではなく3→5のRipを狙うパターンがある。(Tront Raptors "DHO Rip")
DHO Double & Lob Counter (24:43)
5→2のRipから4→5パス、5→1のDHOから4&5→2のStaggerに移行するムーブ。
そのカウンターとして、2→5のRipを組み合わせる形がRob Counterになる。
Double StaggerにカウンターでRipを組み合わせるパターンはかなり効果的。
……こうして概観すると、Flat DoubleやStack Double、Dummy Curl、3or4人のLineといったコンセプトが多くのチームで共有・活用されており、またTriangleとFunnelのような極めて似たコンセプトが採用されているケースもあることがわかる。
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