スキルメモ(スクリーンを掴む、ハンズオフの基本スキルとしてのレッグスルービハインドetc)
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この記事では、本来のブログの趣旨(戦術研究)から外れた、個別のスキルについてのメモをまとめてみる。
まずは「スクリーンを掴む」と言うコンセプト。
スクリーンを使ってフリーになるのがうまいシューターは、スクリーナー(味方)を掴むのがうまいらしい。
— Ryo Ogawa (@og8wa) 2017年9月28日
いい例はこんな感じ。 pic.twitter.com/qNWi8SqfwH
写真では簡単に見えるけど、実際は一瞬で掴まないとダメだから、結構難しい。
— Ryo Ogawa (@og8wa) 2017年9月28日
練習でスクリーナー役をやってると、うまい人とそうじゃない人でかなり差があります。 pic.twitter.com/NvxXpa4osl
引用したツイートの通り、ユーザーがスクリナーを物理的に掴むことで、DFとのギャップを作っていることがわかる。
所謂ブラッシングというコンセプトの発展形になる。
日本の学校で流行っているブラッシングの場合は、スクリナーを掴まず、可能な限り近く通るというだけの代物が多いと思われる。
だが、「スクリナーとユーザーの間に入られない」ということを達成したいなら、引用ツイートのように、「スクリーンを掴む」方が確実だ。味方を掴むのは反則でも何でもないのだから。
(柱を挟んで鬼ごっこをする様を想像してみてほしい。その際、間の柱を掴んだ方が、柱を利用して相手から逃げるにあたって格段にやりやすいはず。)
「スクリーンを掴む」ことで、スクリナーとの間を事実上ゼロ距離にすれば、ユーザーDFは、アンダー、オーバーのどちらかを迫られることになる。それに応じて、フェイドやバックドアといったオプションを的確に使いこなすことが簡単になる。もしスクリナーとの間隔が生じてしまうと、ユーザーDFにその間隔を利用され、ギャップを作るのが難しくなってしまう。
追記(2018/10/18):ボールスクリーンで「スクリーンを掴む」
上記はオフボールスクリーンでの「スクリーンを掴む」コンセプトであったが、当然ながらボールスクリーンでも利用可能である。以下はその例。
Luka Doncic DROPPIN' DIMES! 👀🤭#MFFL #KiaTipOff18 #NBARooks
— NBA (@NBA) October 18, 2018
📺: @ESPNNBA pic.twitter.com/GqtbIbBanT
ルカドンチッチのPnR。
— 30代からのバスケ入門 (@misojibb) October 18, 2018
これ、ファイトオーバーしてくるDFに対して超使えるんじゃない??
壁の腰に手を回してそこからカール。手を最初に入れてるからDFはついてけない。
ドンチッチ天才。 https://t.co/rIpplGaDxN
次に、ハンズオフの基本スキルとしてのレッグスルービハインド
「ビハインド・パスは単なるオシャレパスではなく、歴とした技術だ!」というのは定着しつつあると思うんですが、個人的にはそれに加えて、「ハンズオフにおけるレッグスルービハインドパス」も技術として扱ってほしいと思ってる。以下のようなパスのこと。 pic.twitter.com/w7zBaGUHUz
— 現代バスケットボール戦術研究(MBTR) (@MBTResearch) 2018年1月13日
「ハンズオフにおけるレッグスルービハインド」をもう一つ。
— 現代バスケットボール戦術研究(MBTR) (@MBTResearch) 2018年1月13日
ハンズオフしないのか?と思わせたタイミングにパスを出せる点、パサーが全く動かずにスクリナーになる点が非常に良い。 pic.twitter.com/sTFPkseRS9
上記の自己引用ツイートではどちらもパチュリアのプレーを参考にしているが、過去にはボガットなどもこのプレーを得意とした。引用ツイート通り、意表を突いたタイミングと場所にパスを出せる上に、パスした時点でスクリーンセットが完了しており、チップやディナイもされにくいという利点の多いプレー。ただし、相手のDFの位置関係次第では、『相手にパスをしてしまう』というミスもあり得るので、十分注意する必要はある。
【追記:2018/12/29】参考リンク追記
Zaza Pachulia - Between the legs pass - YouTube
おまけ:バックダウンからのドローファール
このスキル本当にビッグマンに覚えてほしいんだけど、バックダウンからシュートする時は必ずディフェンスに近い方の腕を相手の体に入れ込みながらシュートする。ファールが圧倒的にもらいやすい。肘を立てるとオフェンスになるから用心。 pic.twitter.com/ESpCp8olgu
— coach mark (@mark_breakdown) 2016年5月12日
詳細は引用ツイート及び動画の通りだが、パワードリブルからリムの近くでターンショットを撃つ際、(相手がチップを狙うのも見越して)腕を相手側の入れ込むというプレー。特に、DFがチップを狙いたくなる絶妙な位置にボールを「見せる」のもこのプレーの肝ではないかと思っている。
【追記:2018/1/20】 PNRにおける、アンダー対策としてのフラットスクリーン
ピック→アンダーされる→スリー打てないどうしよう。ってなった時の対策について(ビッグマンにも知っといてほしい) pic.twitter.com/lDNEwSTIdE
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@be_a_baller11) 2018年1月11日
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@be_a_baller11) 2018年1月11日
5年前のルビオ pic.twitter.com/0tPfW5LA0F
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@be_a_baller11) 2018年1月11日
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@be_a_baller11) 2018年1月11日
そしてこれが去年のルビオ pic.twitter.com/eedlf9JlQS
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@be_a_baller11) 2018年1月11日
これなんかもう考えがドンピシャで、普通のサイドピックを掛けようとしたタウンズに、わざわざ指示を出してまでフラットスクリーンにさせたシーン。 pic.twitter.com/t35f3HBfhW
— 高坂晴耶(ミネソタ) (@be_a_baller11) 2018年1月11日
ほとんど高坂さんの説明通りだが、フラットスクリーンに対してアンダーを行うと、リムへのドライブコースを空けてしまうことになるため、オフェンス有利となる。
これに対して、スクリナーDFがあらかじめカバーに出るようなら、スクリナーのスリップインが容易に成立することになる。
【追記:2018/1/30】PNRにおけるロールインへのアングルチェンジ・パス
変則型のFist up short
— 現代バスケットボール戦術研究(MBTR) (@MBTResearch) 2017年11月25日
まさかザザの兄貴がこんなにきれいに決めるとは...
ロールインに対してアングルを変えてボールを入れるという発想はやはり有用 pic.twitter.com/x6Hq5bV04S
ロールインに対して、アングルを変えてボールを入れるというプレー pic.twitter.com/9SxxWhXTGx
— 現代バスケットボール戦術研究(MBTR) (@MBTResearch) 2017年11月27日
GSWvsCHAから、「ロールインに対してアングルを変えてパス」というお馴染みのパターン
— 現代バスケットボール戦術研究(MBTR) (@MBTResearch) 2017年12月7日
いつもはコーナーやポストが多いと思うが、今回はトップから。 pic.twitter.com/u3eL44gvTd
Floppy→PNR(Chase)から、アングルを変えてロールインに入れるコンセプト。
— 現代バスケットボール戦術研究(MBTR) (@MBTResearch) 2017年11月28日
華麗の一言。 pic.twitter.com/LlhE2P0eks
BOSvsMILから、PNRにアングルを変えてパス...と見せかけてスキップパス
— 現代バスケットボール戦術研究(MBTR) (@MBTResearch) 2017年12月6日
テイタムはそこからコーナーへのパスフェイクを交えてオープンショット。
華麗なチームバスケット。 pic.twitter.com/NFdqrdca53
Pick and Rollに際し、三人目のプレーヤーを介してロールマンにボールを入れるコンセプト。
コーナー・ウィングを介すのがオーソドックスだが、引用動画のようにトップを介するパターンもある。
相手がハードヘッジやスイッチを用いるときに特に有効になる。
また、最後の引用動画のように、ロールマンに入れると見せかけてスキップパスを出すというのも重要コンセプト。
以上。