現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

基本ムーブメント、セットオフェンス、DFシステム、ゾーンアタックなどを日々研究・解説しています。

スキルメモ――リロケート、クロススクリーン・カウンター

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このブログは基本的に戦術をメインテーマにしているが、以下のようなスキルの紹介も過去に行っている。

mbtr.hatenablog.com

 

今回の記事も、タイトルの通り、基礎的なスキルの紹介を行っていく。

 

リロケート(Relocate)

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リロケート(Relocate)は、Re(再び)locate(位置を取る)という言葉通り、ペネトレイトを行ったハンドラーが、他にボールを預けてから、即座にコーナーやウィングにスポットアップするプレーである。

なぜこの動きでギャップが発生してしまうのか?

上図のように、PNRでカバーやスイッチが発生するケースや、純粋にペネトレイトされてカバーが発生するケースでは、ハンドラーDFは、基本的にはスクリナー、あるいは他の選手へのローテーションを見る必要がある。

その隙をついてハンドラーがリロケートを行うと、誰もハンドラーを見ずにワイドオープンになるか、あるいはカバーorスイッチを行ったビッグマンが慌ててシュートコンテストに向かうという状況が発生することになる。

 

このスキルに対するカウンターとしては、ハンドラーDFがローテーションを放棄し、ハンドラーのケアを継続するというものがある。実際、2017-2018シーズンのファイナルGSWvsCLEでは、カリーのリロケートに対してハンドラーDFがマークを続行して狙いを潰すという場面が多く見受けられた。

ただし、このカウンターにも弱点がある。当然のことながら、ハンドラーDFが何のローテーションも行わない以上、ハンドラー以外のポイントでギャップが発生する可能性が高くなる。

そうしたローテーションの崩れや数的不利を利用されて他で得点されるリスクと天秤にかける必要があるわけだ。

 

 

 

クロススクリーン・カウンター(Cross Screen Counter)

pickandpop.net

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クロススクリーンは、あらゆるレベルのバスケットボールで普遍的に行われるアクションの一つである。

上記紹介記事では、クロススクリーン・アクションにおけるベーシックな二種類のカウンターが紹介されている。

一つ目は、Lobである。

ユーザーDFがスクリーンに対してオーバーで先回りすることが予見された場合、ユーザーはクロススクリーンを使わず、裏のスペースへのロブパスを受ける。

この際、スクリナーがスクリーンの角度を変えるのも効果的である。

二つ目は、Sealである。スクリナーが、スクリーンをキャンセルしてそのままシールを行うプレーである。

なぜこれが有効になるか?

スクリナーDFは基本的に①ユーザーへのバンプを用意する、あるいは②クロススクリナーへのダウンスクリーンプレー(STS)への対応を用意するということを意識している。

こうした意識の裏をかき、スクリナーがシールに切り替えると、スクリナーDFは深い位置でのシールを許してしまったり、シールへの対応が遅れてドローファールされてしまったりする。これがSealの狙いとなる。

 

(以上)