現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

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Slip vs Blitz コンセプトの構造とパターン

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Slip vs Blitz は、オフボールスクリーン(Exit、Flare、Away、etc……)において、ユーザー(カッター)に対してBlitz(Double Teamとも)が行われた際に、スクリナーによるSlip inから得点を狙うコンセプトである。

f:id:ocum2013-041:20200412111021p:plain

今回は、このSlip vs Blitz について、その構造を解剖し、主だったパターンを紹介することにする。

 

 

"Slip vs Blitz"の構造

f:id:ocum2013-041:20200412111259p:plain

このコンセプトの構造は、極めて明瞭な上に、実にシンプルだ。

主にExit & Screen で用いられ、Golden State Warriorsが多用しているが、GSWのような「オフボールスクリーンからのキャッチ&シュート(しかもクイックリリース)」を得意とするプレーヤーを擁するチームに対しては、期待値の高いC&Sの3ptを抑制するため、Blitzを選択せざるを得ない場面が少なからず出てくる。

あるいは、スクリナーDFが急遽の判断でSwitch Up / Switch Out を選択せざるを得なくなり、”意図しないBlitz” が発生してしまうことが頻発し得る。

こうした状況を利用し、スクリナーがSlip → オープンなDive を試み、得点を狙おうというのが、Slip vs Blitzの構造である。

Slipへのパスの手法として、もちろん最初のボールマン(便宜上、Passerと呼ぶ)から直接パスを狙うのが通常だが、他のプレーヤー(スクリーンのユーザー=カッターや、それ以外の第3のプレーヤー)を経由してパスを通すといったバリエーションがあり得るであろう。f:id:ocum2013-041:20200412111021p:plain

 

 

当然ながら、このコンセプトはオフボールスクリーンからのC&Sの練度が肝になる。

少なくとも、ある程度の早さのリリースでスクリーンからのC&Sをアテンプトできるシューターの存在が前提だ。

(とはいえ、スクリーンユースからC&Sの3ptは、ベーシックスキルとして、あらゆるカテゴリーで訓練されなければならないのは周知の通り)

 

加えて、スクリーンの設置位置も重要になる。3ptのC&Sを狙うにせよ、Slipからの得点を狙うにせよ、スクリーンの設置位置は、3ptラインの一歩内側くらいの、やや遠目の位置であることが求められる。

(よくあるミスとしては、スクリーンの設置位置がリム方向に近過ぎて、3ptがアテンプトできなかったり、Slipしてもスペースが狭くてレシーブが上手くいかない、といったパターンがある)

 

以上の概説を踏まえ、以下にSlip vs Blitzの主だったパターンを紹介していく。

 

 

 

From Passerパターン

youtu.be

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From Passerパターンはおそらく最も頻度の多いであろうパターンで、DF側のBlitzに対してSlipを成功させてオープンになったスクリナーのダイブへ、最初のボールマン=Passerが直接Feedするものである。

From Passerパターンに限った話ではないが、ウィークサイドDFからのインターセプトには注意しなければならない。

(上記の動画例の二番目では、ウィークサイドDFからのインターセプトを未然に防ぐよう、ウィークサイドでPindownを行って囮としている)

また、これもFrom Passerパターンに限らないが、このSlip vs Blitz というコンセプトはいわゆるRelocateアクションと大変相性が良い。(Relocateについては、参考→  スキルメモ――リロケート、クロススクリーン・カウンター 

(上記の動画例での三番目では、Relocateと組み合わされたSlip vs Blitzのパターンを紹介している。)

 

 

From Cutterパターン

youtu.be

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スクリーンユーザー(ここではCutterと呼ぶ)を経由して、スクリナーのSlipにパスするパターンが、このFrom Cutterパターンである。

Cutterにパスが通ったはいいものの、Blitz、ないしSwitch Outに伴う偶発的Blitzによって、Cutterがオープンにならず、C&Sが難しい場合があり得る。こうした場合、必然的にオープンになっているスクリナーのSlipへのパスが有効となる。

また、Cutterへのディナイやプレッシャーが”半端”な場合は、一度Cutterにボールを入れることで、DF2人(CutterのDFとスクリナーのDF)の注意をCutterへと惹きつけ、スクリナーのSlipをより一層オープンにすることが出来る。

加えて、ダイブに対して角度を変えてパスすること自体が、パスを通すにあたって有効になる。DFがダイブへのパスをある程度警戒していても、角度を変えられてしまっては対処が難しくなるためだ。

余談になるが、上記参考動画で用いられているのはFloppyと呼ばれる頻出のアクションであり、これもまたSlip vs Blitzと相性が良い。f:id:ocum2013-041:20180318104817p:plainf:id:ocum2013-041:20181031164741p:plain

(参考動画:Floppy

(参考動画2:Golden State Warriors "Mix Floppy"

(参考・推奨記事:現代バスケットボールの基本的な動き

 

また、動画中の3番目のパターンでは、Slip vs Blitz に対してウィークサイドDFがヘルプに出てきたのを利用して、ウィークサイドのダイブにFeedしている。

f:id:ocum2013-041:20200412144039p:plain

 この「Slip vs Blitz → ウィークサイドからヘルプ → ウィークサイドのオフェンスにパスしてアシスト」というのも、Slip vs Blitzの典型的な得点パターンの一つとなってくるので、念頭に置いておきたい。

参考動画

youtu.be

 

 

 

From Off-Ballパターン

youtu.be

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Passerから直接Slip inへパスするのではなく、一方でCutter経由でパスするのでもなく、オフボールの第3のプレーヤーを経由してパスを行うのが、このFrom Off-Ballパターンである。

・Passerから直接パスを入れづらい。(DFからパスコースをケアされたり、位置関係的に出しづらいなど)

・Cutterにパスを通すにも難しい。

といったパターンにおいては、オフボールの第3のプレーヤーを経由し、角度を変えてスクリナーのオープンなSlip inにパスを通すのが有効となりうる。

 

 

 

"Screen your own man" コンセプトとの組み合わせ

youtu.be

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Slip vs Blitz に相性の良いアクションとしてRelocateやFloppyを紹介してきたが、それと同等あるいはそれ以上に相性の良いコンセプトが、このScreen your own manである。

Screen your own man は、Zak Boisvertが提唱したスイッチアタック・コンセプトで、文字通り、自分のマークマンを巻き込む形でスクリーンをセットし、簡単なスイッチを許さない形でスクリーンプレーを行うものである。(個人的には略称としてSUOMと呼称している。SUOMの参考動画→ “Screen your own man” - Attacking Switch Concept -

SUOMを喰らったスクリナーDFがCutterに対してSwitch Outするためには、自分に仕掛けられたスクリーンを①避けて、②Cutterに向かう、という2段階のアクションを踏まなければならない。

この構造は、スクリナーにとって極めて有利に働く。というのは、スクリナーは、スクリナーDFが自身のスクリーンを①避けたという段階で、その行動をトリガーにして、『確実にオープンかつタイミング抜群の』Slip inを実行することが可能となるからである。

非SUOMでのSlip vs Blitzは、どうしても「スクリナーがきちんとCutterに釣られるか」、「いつスクリナーを諦め、いつCutterへのケアに向かうか」が不透明という点が付きまとい、失敗の原因となる。

ところが、SUOMでのSlip vs Blitzは、スクリナーがCutterに向かうかどうか、そしてそのタイミングまで、スクリナーが確実に感知・判断することができる。また、判断基準も極めてシンプルだーーー目の前のスクリナーDFが自分を避けてCutterに向かった時、すぐさまダイブすれば良いからである。

SUOMそれ自体が、Cutterのケアを難しくする有効なコンセプトだが、Slip vs Blitzとの組み合わせは、スクリナーのSlip inのクオリティを大幅にアップするという意味で、より一層DFにとって厄介なものとなる。

 

 

 

Post Splitパターン

youtu.be

f:id:ocum2013-041:20200412155300p:plain

Golden State Warriorsが特に得意とするPost Splitにおいても、この”Slip vs Blitz”の構造は生きてくる。

Cutterに対して(意図的にせよ、偶発的にせよ)Blitzが発生した場合、当然スクリナーのSlip inはオープンになる。Post Splitの基本得点パターンの一つである。

Post Split(及びPost Decoy)の様々なバリエーションについては、以下noteをすすめたい。

note.com

 

 

 

Pindownパターン

youtu.be

f:id:ocum2013-041:20200414120553p:plain

Exit & ScreenのパターンのSlip vs Blitzを多く紹介してきたが、当然ながら、PindownアクションからもSlip vs Blitzは発生し得る。

Pindown(Away)の主だったオフェンスパターンについては、以下noteを勧める。

note.com

 

 

 

 Clearout(Seal Screen)への展開

youtu.be

f:id:ocum2013-041:20200414121535p:plain

当然、第一に狙うのはスクリナーのオープンなSlipを使った直接の得点であるが、上図・上動画のように、『スクリナーDFに対する有利なポジショニング』を利用して、Clearout(Seal Screen)へと展開するのも極めて有効なオプションとなるだろう。

このオプションを念頭に置くなら、Cutterは第一にC&Sを狙いつつ、Slipへのパス or カウンタードライブ(+スクリナーのClearout)を両天秤で選択するという形が妥当となってくるだろう。

 

 

(以上)

 

P.S.

上記を一連の動画としてまとめたのが以下である。

”Slip vs Blitz” Concept - YouTube

 

 

 

 

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Tag Dive (= Vacuum Cut) コンセプトとその類型

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Tag Dive (= Vacuum Cut) は、PNRにおいて、コーナーDFのtagに合わせて、コーナーのプレーヤーがダイブし、そこでの得点を狙うコンセプトである。(関連まとめ: Tag Diveアクション(Single Side / Double Side) - Togetter

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以下では、このTag Diveコンセプトについて、シチュエーション別に分類しつつ紹介する。

 

 

Short RollからのTag Dive

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ボールスクリナーがShort Rollでボールを受け、コーナーDFのtag(ないしbump)を誘い、Tag Diveを遂行するパターンである。

[*Short Rollについては以下↓を参考に]

mbtr.hatenablog.com

youtu.be

 

Tag Diveを実行するにあたり、必ずしもShort Rollによるレシーブが必須となるわけではないが、DFがボールに注目しがちであることを考えれば、非常に有効なオプションであることに疑いはない。

 

以下に、Short Roll絡みのTag Diveの参考動画を掲載する:

youtu.be

 

 

 

Handlerから直接パスするTag Dive

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Tag Dive に際して、必ずしもShort Rollでレシーブすることが必須とはならないことは既に上述した。

上記のパターンは、スクリナーへのパスを介さずに、コーナーからのダイブへ直接Lob Passを試みるタイプのTag Dive である。

コーナーDFがRollerに対してtagするかどうかを、ハンドラーとコーナーが両方とも観察し、tagに向かうようであればTag Diveを施行する。

 

参考動画↓

youtu.be

 

 

 

Single Tag ActionでのTag Dive ("Single Tag Dive")

f:id:ocum2013-041:20200406093940p:plain

Tag Dive アクションは、上記のように、Singe Tag Action(Single-Side Bump Action)と組み合わせることが出来る。

Single Tag Actionについては以下をご参照いただきたい。

mbtr.hatenablog.com

youtu.be

 

通常のDouble Side Tag Diveに比較すると、パスするタイミングやスペースがややシビアになりがちだが、一つの有効なオプションにはなる。

(逆に、なぜDouble Sideの場合はTag Diveに持ち込みやすいのか、ということを整理しておく必要があるだろう。

Double Side の場合、コーナーDFは、コーナーに対してウィングDFがローテーションする["X-Out Rotation"]ということを半ば期待してしまうため、Rollerのtagをあまり警戒なく行ってくれる。故に、Tag Diveが決まりやすい。

その点、Single-Sideの場合は、最初からコーナーDFがRoller or Corner の二者択一を強く意識しているため、コーナーからのダイブが完全にオープンにはなりにくいという構造があるのである。)

 

Single Tag Diveの参考動画↓

youtu.be

 

 

 

Dive & Lift on Tag Dive

f:id:ocum2013-041:20200406100720p:plain

Dive & Lift コンセプトは、Tag Diveにおいても極めて有用になりうる。

Dive & Lift(PNRの場合は、Roll & Replaceという名でもよく知られる)は、DiveとLiftの組み合わせにより、DiveのケアかLiftのケアかの選択を2vs1の形でDFに迫り、オープンを作り出すコンセプトである。

上図のように、ウィングDFがTag Diveのケアに万一間に合ったとしても、ウィングがトップへのLiftを行えば、トップでの3ptがwide openとなってしまうという構造になる。

 

Tag DiveにおけるDive & Liftの参考動画↓ 

youtu.be

 

 

(以上)

 

追記:全体をまとめた動画が以下

"Tag Dive" ("Vacuum Cut") Concept - YouTube

 

 

 

 

 

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Clearout (Seal Screen) コンセプト 大全

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Clearout(Seal Screenとも)コンセプトは、インサイドのDFにシールすることで、ハンドラーがリムアタックできるスペースを確保し、リム付近の得点を創出するというアクションを指す。

f:id:ocum2013-041:20200326105231p:plain

 

 

Clearoutについては、これまでも当ブログで幾度か扱っている。

mbtr.hatenablog.com

mbtr.hatenablog.com

 

今回は、より詳細に踏み込んで、Clearout(Seal Screen)の構造、およびそのパターンについて網羅的に論ずることとする。

 

 

Clearoutの基本構造分類

(基本的に以下で用いる分類呼称は独自呼称であり、類例はないことを了解されたい)

Behind Clearout

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Behind Clearout は、カバーDFないしリムプロテクターに対してBack Seal(裏側へのシール)を仕掛け、リムへのドライブコースを確保するClearoutパターンである。

Clearoutパターンとして、最も基本的なもので、イージーレイアップ創出には欠かせないオプションとなる。

参考動画

youtu.be

注意点としては、カバーDF/リムプロテクターがある程度浮いた位置取りでないと仕掛け辛いこと、またシールを察知されて普通に上側を抜けられるとリムプロテクトが間に合ってしまうことなどが挙げられる。

 

 

Front Clearout

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Front Clearout は、カバーDF/リムプロテクターの正面にSealし、ハンドラーがFloaterないしRunnerをアテンプトできるだけのスペースを確保するタイプのClearout(Seal Screen)である。

Behindと違ってレイアップにはなり辛く、あくまで次善解として利用されることになる。

カバーDF/リムプロテクターがやや深めにDropしており、Behind Clearoutをセットし辛い場合などに選択するオプションとなるだろう。

参考動画

youtu.be

注意点としては、下手にレイアップに持ち込もうと深くドライブしてしまうと、結局リムプロテクターからのコンテストないしブロックを受けてしまう点である。

Front Clearoutの形になったら、大人しくブロックを受けないエリアからアテンプトするのが安定択になるだろう。

 

 

”Deep” Front Clearout

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やや発展的なパターンとして、”Deep” Front Clearoutを提示しておく。

深くDropしてきたカバーDF/リムプロテクターの正面にSealするという構造はFront Clearoutに似るが、DFが余りにも深くDropしすぎた場合は、Front Clearoutの形であっても、リムへのドライブコースを確保できる場合がある。

この場合は、ハンドラーはリム付近でレイアップ等でフィニッシュ出来ることになる。

不用意に深くドロップするリムプロテクターを相手取るときは、このオプションでレイアップを量産するのが効果的になるだろう。

参考動画

youtu.be

注意点としては、相手DFがこれに気づいて浮き気味のリムプロテクトに切り替えてきた場合に、それに応じてBehind Clearoutなどの他のパターンに的確に切り替える柔軟性が必要とされるというところが挙げられるだろうか。

 

 

閑話休題:Clearoutのよくあるミスのパターン

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Clearoutの第4のパターンに入る前に、よくあるClearoutのミスについて確認しておく。

Clearoutで失敗してしまうパターンとしては、ややフロント気味に半端にClearoutをセットしてしまい、カバーDF/リムプロテクターに抜けられてしまって、結局ショットコンテストないしブロックを喰らってしまうというパターンである。

参考動画

youtu.be

こうしたミスが起きてしまう構造としては、Clearoutスクリナーの判断の難しさがある。

つまり、安易に下側に回ると、普通に避けられてカバーが間に合ってしまうが、それを恐れて正面側を取りすぎてしまうと、今度は裏側からカバーに回られてしまう。

BehindともFrontとも選び難い、という状況で起きる問題であるが、その解決法は2つある。

一つは、BehindとFrontのいずれかを徹底し、ハンドラーにそれに合わせたフィニッシュを求めること。

もう一つは、以下に示すLateral Clearoutという両天秤をとったオプションを用いることである。

 

 

Lateral Clearout

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Lateral Clearoutは、垂直にClearout(Seal Screen)をセッティングし、前側にも裏側にも簡単に回られないよう、両天秤を取るオプションである。

カバーDF/リムプロテクターの位置取りが微妙で、BehindかFrontかを選びかねるときに用いる妥協解としての意味合いも持つ。

参考動画

youtu.be

注意点:良く言えば両天秤だが、悪く言えば中途半端だ。リムプロテクターが上手く迷ってくれれば良いが、前側・裏側のいずれかを抜けられてブロックが間に合ってしまうというリスクも常にある。

基本的には、明らかにBehind Clearoutが狙える状況や、明らかにFront Clearoutが好ましい状況なら、より良い方を選択することが好ましい。

 

 

 

TransitionにおけるClearout

youtu.be

Clearoutが特に活きるのはTransitionシチュエーションにおいてである。

アウトナンバーができやすいこと、第3、第4のディフェンダーの対応が間に合い辛いことなどがその要因として挙げられる。

2on1や3on2では、DF1人をClearout(Seal Screen)で無力化することのアドバンテージは極めて大きい。

また、Clearoutが失敗に終わるケースとして、第3、第4のDFからのヘルプ&コンテストが間に合うケースが挙げられるが、Transitionにおいては、万全のタイミングでそうしたヘルプを行うことは難しい。

 * ここで併せて補足的に指摘しておくと、Clearoutはそのポジショニングの関係上、オフェンスリバウンドに有利な位置を取りやすい。このため、オフェンスリバウンドの確保やそこからのプットバックを産みやすいプレーと言える。上記動画でも、Transition ClearoutからPutbackに移行するパターンをピックアップしている。

 

 

 

PNRにおけるClearout

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PNR Clearoutのパターンとしては、主に上記のようなものが挙げられる。

それぞれ以下に解説していくこととする。

 

PNR Clearout(Normal)

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シンプルなPNRにおいて、主にヘッジDFに対し、Rollしつつ裏側に回ってBack Sealを取ることで、ハンドラーのドライブコースを作り出すパターンが、最も基本的なPNR Clearoutの構造である。

参考動画

youtu.be

ロールに直接パスを受けるわけではなく、また単にスクリナーDF(ヘッジDF)を惹きつけるだけでもなく、Roll & Clearoutでリムアタックをアシストするという発想である。

 

 

Jail Clearout

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Jail Clearout(”Snake Screen”という類似呼称もある)は、Put into the jail(オーバーしてきたハンドラーDFを背に背負ってアウトナンバーを作るスキル)とClearoutを組み合わせたパターンである。

スクリナーがRoll & Clearoutを遂行するための時間的猶予をPut into the Jailで確保する、というイメージで運用すると良いだろう。

参考動画

youtu.be

PNR Clearoutとその類型の一つとしてのJail Clearoutに共通する注意点は、やはり第3、第4のDFによるケア(one-pass-awayからのケアにせよ、Weaksideからのケアにせよ)を受けやすく、受けたときに本来の目的(イージーなゴール下の創出)を達成しづらくなるというところにあるだろう。

後の方に紹介するAngle Change Driveや'short' PNRは、第3のプレーヤーを関わらせることで、上記の問題をある程度抑制する構造を持っている。

 

 

vs Switch, Drive It Back

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PNR Clearoutは、スイッチDFに対しても当然機能する。

むしろ、ハンドラー側でスピード・ミスマッチが出来やすい分、そこからのリムアタックを創出するのにRoll & Clearoutの発想は欠かせない。

また、スクリナー側で見てもDFから見て厄介な構造になっている。というのは、スクリナー側はサイズ・ミスマッチが発生しやすいため、スイッチしたDFはどちらかというとディナイ or インターセプトを狙いたくなる。そうした思考の裏をかき、Back Sealを取ると、容易にBehind Clearoutの形に持ち込めることになる。(*逆に、サイズ・ミスマッチになったからといって、安易にシールで貰うことに固執してしまうと、Clearoutに持ち込めるのにそれを逃す、というようなミスに陥る危険がある)

参考動画

youtu.be

既に指摘したように、この手の2人で完結するタイプのPNR Clearoutは、第3、第4のDFのケアで他のオプションへの切り替え(キックアウトなど)を余儀無くされるという構造を持っているところが難点である。

しかも、スイッチによってミスマッチが発生すると、DF側も警戒してボールサイドへのケアを強める。

こうした状況に対しては、ごく一般的なスイッチアタックであるHitback = Boomerang コンセプト(参考リンク)の併用が有効となるかもしれない。

 

 

Angle Change Drive

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Angle Change Drive は、ベーシックなRoll & Replace アクションとClearout(Seal Screen)の組み合わせで、Replacerにパスし、そこから仕掛けるドライブにClearoutを提供するパターンである。(*Kick Outからのパターンもある)

参考動画

youtu.be

Hard Showに特に有効だが、DropやSwitchに対しても効果的である。

Double Ball Screenなどから展開するパターンもある。

先ほど触れたように、第3のDFを引き出して、他DFからのケアがやりづらくなる構造になっているのが長所である。

ただし、Replacerがディナイされたときは、柔軟にハンドラーからのアタックに切り替える必要がある。ディナイされるということは、それだけオフボールDFによるケアが手薄になっているので、ハンドラーによるアタックは容易となっているだろう。

 

 

’short’ Clearout

'short' Clearoutを論じるには、まず'short' PNR アクションを理解してもらう必要がある。

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youtu.be

’short’ アクションは、上図および上動画のように、オフボールビッグのボールサイド・ショートコーナーへのカッティング/スペーシングから、Rollとのコンビネーションプレーや直接のスコアリングを狙う伝統的なPNRオフェンスコンセプトである。

 

この'short' コンセプトとClearout(Seal Screen)を組み合わせたのが、'short' Clearout というパターンだ。

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'short' を試みたオフボールビッグが、素直にボールサイド・ショートコーナーに入らず、オフボールでのClearoutに移行するパターンである。

オフボールビッグのDF(上図ではx4)は通常、ボールスクリナーのRollをある程度ケアしておく必要があるため、その意識の裏をかかれると、この形のClearoutをモロに喰らいやすくなる。

参考動画

youtu.be

上述したように、'short' Clearoutは3人目のDFが絡むタイプのClearoutアクションなので、オフボールDFによるケアというのが比較的起こりづらい。

また、このClearoutは、応用すると、スクリナーロールへのLobをアシストする形でも使える。

 

 

 

(以上)

 

 

P.S. 

上記を一編にまとめた動画が以下となります。

Clearout = Seal Screenをパターン別に整理

 

 

 

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Single-Side Bump Actionまとめ

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Single-Side Bump Action(あるいはSingle Tag Action)については、拙記事『現代バスケットボールの基本的な動き』にて紹介したことがあるが、今回様々なパターンの紹介もかねて、まとめ直してみることにする。

追記:2020/4/6:まとめ動画:

youtu.be

 

 

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Single-Side Bump Actionは、上記のように、ボールサイド・コーナーに1人置いた状態でSide PNRを行い、コーナーDFによるスクリナーへのTag(ないしBump)を逆手に取って攻めるオフェンスコンセプトのことである。

上図の通り、コーナーDFがスクリナーのTag(ないしBump)に向かえば、コーナーに居るプレーヤーが自ずとオープンになる。コーナーのプレーヤーは、状況に応じて、コーナーステイか、ウィングへのReplaceを選択し、オープン3Pをまず狙う。これがSingle-Side Bump Actionの第一オプションとなる。

参考ツイート↓

 

ただし、下図のように、コーナーDFが十分にTag(ないしBump)を行って来ない場合は、スクリナーのロールに直接パスをすることが好ましい。

f:id:ocum2013-041:20190524233216p:plain

コーナーDFのTag(ないしBump)の状況に応じて、コーナーのプレーヤーにパスするか、ロールにパスするかを適切に選択することが求められる。

参考ツイート↓

 

上記の2つのパターンが、Single-Side Bump Actionの基本パターンになるが、発展的パターンを以下に紹介していこう。

 

f:id:ocum2013-041:20190524234334p:plain

このパターンは、スクリナーDFがショウDF、特にハードショウを行う場合に有効だが、コーナーのプレーヤー経由でスクリナーのRollにパスすることで、イージースコアを狙うことが出来る。

スクリナーを一瞬TagしたコーナーDFが頑張ってコーナーのシューターにクローズアウトしようとすれば、却って簡単なペイントショットが生まれてしまうわけだ。

ハンドラーから直接Rollへパスするのではなく、コーナーのプレーヤーを経由して角度を変えてパスを入れることから、私はこのコンセプトをAngle Change Passと読んでいる。

参考リンク↓

togetter.com

 

 

f:id:ocum2013-041:20190524234710p:plain

上図では、コーナーのプレーヤーにパスが入った際、そこからスクリナーにパスするのではなく、スクリナーによるRoll & Clearoutを利用して、コーナーのプレーヤーによるドライブ&スコアを狙うパターンを示している。

角度を変更してドライブを狙うという意味で、私はこのコンセプトをAngle Change Driveと表現している。

以下にも示すが、このコンセプトは、DFがDropやショウDFではなく、スイッチDFを行ってきた場合にも同様に有効になる。

参考ツイート↓

 

 

 

上述したように、Angle Change DriveはPNR Switchに対しても有効だが、それ以外にもPNR Switch対策となるコンセプトを2つ紹介しておこう。

 

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このコンセプトについては、スイッチDFの攻略法 追加の方でも紹介したことがある。

Switch & UnderでRollへの簡単なパスを防ぎ、かつコーナーDFをスクリナーTagに駆り出すことを防いで、コーナーのプレーヤーのセパレーション(ズレ)を発生しないように守ってきた場合は、上図のように、コーナーのプレーヤーのReplace経由でポストのサイズミスマッチを攻めるCorner Filledと呼ばれるコンセプトで攻めるのが有効になる。

参考ツイート↓

 

 

コーナーのプレーヤーのReplaceにパスが出しにくい場合は、下図に示すように、スクリナーがRoll & Clearoutし、それに合わせてハンドラーがクロスオーバー→ドライブを仕掛けてイージースコアを狙うDrive It Backというコンセプトが有効になる。

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このコンセプトも、スイッチDFの攻略法 追加で紹介したことがある。

参考ツイート↓

 

 

ベーシックでありながら奥の深いSingle-Side Bump Actionというコンセプトを読者の皆様がマスターするにあたり、この記事が役に立てば幸いである。

 

【追記:2019/10/19】

追加のパターンとして、”Single Tag Dive”を紹介する。

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 コーナーDFによるRollerへのTagを逆手に取り、コーナーがダイブしてペイントショットを狙うパターン。

余談になるが、この仮称”Tag Dive”アクションは、Single SideよりもむしろDouble Sideで用いられることが多い印象である。(”Jump Switch"(=Wall)コンセプト(参考リンク)の存在や、”Ultimate Helper”パターン(参考リンク)の存在の影響?)

”Double Side” Tag Diveの例:

 

 


 

 

 

※過去記事を系統別にまとめたTogetterはこちら↓

togetter.com

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『悪いピック、良いピック』、『フロントターンかリアターンか』、『ムービングか否かの境界線』

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今回も、タイトルに沿った内容の拙togetterを紹介していく。

 

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これはデアンドレ・ジョーダンとドワイト・パウエルという二人のプレーヤーを題材に、DFを攻略するにあたって機能しない悪いピックとは何か、逆に攻略に機能する良いピックとは何か、について考察したtogetterである。

ツイートを引用していこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ポイントをまとめると、

悪いピックの特徴は、「適切な距離が取れていない=密着しすぎており、ハンドラーDFに簡単にファイトオーバーを許してしまう」、「ハンドラーDFのスタンス変更に合わせたスクリーンの(迅速な)角度変更が出来ていない」。

・裏を返すと、良いピックの特徴は、「適切な距離が取れており、ハンドラーDFに安易なファイトオーバーを許さない」、「ハンドラーDFのスタンス変更に合わせた迅速な"flip"が遂行できている」。(加えて、「適切な角度=Bottom Halfにセットして、ハンドラーDFのファイトオーバーorアンダーを抑止している」ことも重要である)

 

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PNRからのロールの際に、フロントターンすべきか、リアターン(背中側へのターン)すべきかというのは以前から議論のあるところであり、それをテーマにした一連のツイートをまとめたのが上記togetterである。端的に要約しつつ、適宜ツイートを引用していこう。

まず以下の二つの記事を参照しよう。

ボールスクリーンの後はフロントターン?リアターン? | コーチMのブログ

【一般寄稿】ジョン・ストックトンとカール・マローンのピックアンドロールはもう古い! byコーチP | ゴールドスタンダード・ラボ

上記記事では、リアターン(日本ではよく見られる)よりも、フロントターンが推奨されている。その理由は以下の通り。

・フロントターンの方がスピードが出る。
・フロントターンの方がハンドラーDFとのコンタクト時にファウルをコールされにくい。(※リアターンでハンドラーDFにシールするとファウルを取られやすい)

しかし実際には、リアターンが選択される場面(選択される”べき”場面)というのも存在する。

以上を踏まえた上で、Houston Rockets Spread Pick & Roll - YouTubeを題材に、どのような場面でフロントターンが選択され、どのような場面でリアターンが選択されているのか、及びその目的について紹介した。

 

 

 

 

上記をまとめると、フロントターンを選択する場面・目的

・ハンドラーDFにコンタクトしつつロールする際にファウルを吹かれるのを防ぎたい場合
・ハンドラーDFにきちんとオーバーでスクリーンを回避するよう強制したい場合

・Early Rollを行う場合(※よりスピードを出すため)
・アンダーやスイッチで背後に回ってきたハンドラーDFを回避しながらロールしたい場合(※リアターンだと接触してしまうし、最悪ファウルを吹かれる)

といった具合になるだろう。

 

次に、リアターンの場面を見ていこう。

 

 

要するに、リアターンを選択すべき場面・目的は

Blitz(≒トラップ)やショウDFによってハンドラーにプレッシャーがかかり、スクリナーによる迅速なパスレシーブが求められる場合
に限られるということになる。

vsBlitz、vsショウDFなど、リアターンが有効な場合もあるが、大体はフロントターンの方が好ましい』というのがおおまかなまとめになるだろう。

 

 

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実際の試合で、イリーガルスクリーン(特にムービングピック)か否かがどのように判断されているのか、そしてそれに合わせてどのようにピックプレーを行えばよいかについて検討したtogetterである。以下に要約していこう。

まずは以下ツイートをご覧いただきたい。

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このシーンにおけるイバカのピックはムービングではないか、という意見について検討した。

 

まず、JBA プレーコーリング・ガイドラインを見てみよう。

そこではイリーガルスクリーンについて以下のように書かれている。

(2)イリーガルスクリーン
①相手の動きにあわせて、動いてスクリーンをかける(Moving Pick)
②止まっている相手のうしろ(視野の外)でスクリーンの位置を占めスクリーンをかける
③動いている相手チームのプレーヤーの進路上に、相手が止まったり方向を変えたりして触れ合いを避けられるだけの
距離をおかずにスクリーンの位置を占めスクリーンをかける
④シリンダーを越えた手・腕・肘、そして足・お尻等、身体の一部を不当に使ってスクリーンをかける 

今回考えるのは、「①相手の動きにあわせて、動いてスクリーンをかける 」の部分である。ただし、注意すべきことだが、ハンドラーDFのスタンス変更に合わせて、スクリーンをセットしなおすことそれ自体がイリーガルというわけではない。以下ツイートを見てもらえるとわかりやすいだろう。

 『相手の位置やスタンスに応じてスクリーンを調節すること自体が禁じられているわけではない』とすると、上述のイバカのスクリーンも、「まだドライブを始めていない(ドリブルキープ中)のハンドラーに対するスクリーンの調節」と見なされれば、イリーガルスクリーンをコールされないことになる。

当然、ドライブ中のハンドラーに対してスクリーンの調節を行うと(裏を返せば、スクリーンの調節中にドライブを始めてしまうと)、その際はムービングスクリーンの規定に抵触するということになる。

問題は、「ハンドラーがまだドリブルキープ中か」or「ハンドラーがドライブをスタートしたか」が曖昧なタイミングが存在するということである。
この曖昧なタイミングのぎりぎりまでスクリーンを調節した場合(イバカのシーンはまさにこれにあたる)、審判が完全に的確な判断をするのは非常に困難になる。

現実の試合では、「ドリブルキープ」と「ドライブスタート」の間の曖昧なタイミングを狙って、スクリーンをギリギリまで調節するという手法が、あらゆるカテゴリーで採用されているというのが実態だと思われる。
後から見返せばファウルを取られかねないものもあると思うが、現状はグレーゾーンを限界まで”攻める”方が有利になっている。

 

 

(以上)

 

 

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”Kick Out” Switch="Scram" Switchとそのカウンター / "Jump Switch"="Wall"について

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今回はtogetterから、スイッチDFに関するまとめを紹介していこう。

 

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"Kick Out" Switch="Scram" Switchは、以前Golden State WarriorsのスイッチDFコンセプトでも紹介したことがあるが、スクリーンへのスイッチなどで発生したポスト付近でのサイズ・ミスマッチを、さらなるオフボールスイッチによって解消するコンセプトのことを指す。

このコンセプトに関するツイートを一部抜粋していこう。

 

 拙訳:『NBAにおける「キックアウト」スイッチ(@ZachLowe_NBA は「スクラム」スイッチと呼んでいる)については近年多くの議論がある。キックアウトスイッチはインサイドでのミスマッチからガードを守るためにオフボールでスイッチするというものだ。これはどのように機能するだろうか? 以下のスレッドをチェックしてほしい。』

Defence switches the 'Open Side' PNR

拙訳:『DFが「オープンサイド」PNR(※プレーヤーのいないサイドへのPNR)に対してスイッチする』

As 'big' rolls the 'small' into the post...

拙訳:『「ビッグマン」が「小さい」DFに対してロールしてポストに入った際...』

Weakside 'bigger' defender takes the roller

拙訳:『ウィークサイドの「よりサイズの大きい」DFがロールしたオフェンスをピックアップする』

...And the 'small' defender is "kicked out' to another 'less dangerous' match up

拙訳:『...そして「小さい」DFは「キックアウト」され、他の「危険度の比較的低い」マッチアップにつく』

 

拙訳: 『オフェンスがPNRの後に「ロール&リプレース」をしてくる場合は、一番簡単に「小さい」DFが「キックアウト」スイッチできる。ロール&リプレースとは、ロールするオフェンスがバスケットにダイブする際にもう一人のビッグマンがリフトするプレーのことだ。なぜ一番簡単にキックアウト・スイッチできるのかというと、「小さい」DFが「キックアウト」される際に移動する距離が短くなるからだ。@paobcgr のこの動画クリップを見てほしい。』

Defence switches the Mid PNR

拙訳:『DFがミドルPNRに対してスイッチする』

Efes run "roll & replace action" with their bigs

拙訳:『Efes(※スクリナーでない方のビッグマン)がビッグマン同士で「ロール&リプレース・アクション」を行う』

Creator's defender is 'kicked out' to big who replaces high

拙訳:『CreatorのDF(※ハンドラーDF)がリプレースしてきたビッグマンに「キックアウト」スイッチをする』

 

 拙訳『では、ウィークサイドのビッグマンがPNRの後にリプレースしてこない場合はどうなるだろうか? その場合、「小さい」DFはどこに向かうべきだろう? その例が@EuroLeague@FBBasketbolによるこの動画クリップである。ここでは、「小さい」DFはウィークサイドへ「キックアウト」スイッチを行っている。注意:ヨーロッパのバスケットボール界では、「キックアウト」スイッチのことは"3 way" switch、あるいは"triple" switchとも呼ばれている。』

Pick and Roll switch

拙訳:『ピック&ロールに対してスイッチ』

Opposite big stays low

拙訳:『もう一人のビッグマンはローにステイ』

So small is kicked out weakside

拙訳:『このため、「小さい」DFはウィークサイドへと「キックアウト」スイッチを行う』

 

 拙訳:『ガードを「キックアウト」するプレーヤーは、必ずしもビッグマンである必要はない。「小さい」DFに対して「より大きい」DFであれば良い。近くに居るなら、スモールフォワードがガードを「キックアウト」しても良い。これはコーナーに人が居るSlot PNRで起こる。@olympiacosbcのこの動画クリップを見てほしい。』

Defense switches the Slot PNR

拙訳:『DFがSlot PNRに対してスイッチ』

Small Forward kicks out the PG to his player and picks up the roller

拙訳:『スモールフォワードがPGを自分のマークマンへ「キックアウト」して、ロールするプレーヤーをピックアップ』

 

Ryan (@ry_nguyen) | Twitter(※いつの間にか鍵アカウントになっていたので内容だけ抜粋)

This is one good example to counter it. Here Trez kicks Lou Williams out when Dirk tries to post him, but Powell makes a ghost cut to the rim as soon as Trez leaves him rather than allowing the Clippers to dictate defensively. Now Mavs gets another mismatch they can attack.

 拙訳:『これは「キックアウト」スイッチに対するカウンターの好例の一つだ。DirkがLow Williamsにポストアップしようとした際、TrezはLou Williamsを「キックアウト」した。しかしPowellは、Trezが自身から離れた瞬間、(ClippersにDF指示をさせないように)密かにさりげなくリムへとカッティングし、これによってMavsは別のミスマッチ(※Powell vs Lou Williams)を作り、攻めることが出来た。』

 

 

ポイントをまとめると

・”Kick Out” Switch="Scram" SwitchはPNRなどのスクリーンに対するスイッチで生まれたサイズ・ミスマッチを、オフボールスイッチで解消するコンセプト。

・ビッグマンとスイッチできなくとも、「より大きい」DFとスイッチすることで、サイズ・ミスマッチをより小さくする。

・”Kick Out" Switchを行っても、ウィークサイドではサイズ・ミスマッチが残る場合があるので、カウンターとして、ウィークサイドのサイズ・ミスマッチを攻めるという手法がある。

 

 

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”Jump Switch”=”Wall”とは、PNRの際に①他のアウトサイドDFがハンドラーへとスイッチ。②ハンドラーDFが、スイッチしてきたアウトサイドDFの元々のマークマンへスイッチ という具合に、アウトサイド同士のスイッチでズレを最小化するスイッチDFコンセプトのことである。

以前、OF新コンセプト"Stampede"、DF新コンセプト"Wall"という記事で解説したので、そちらもご参照いただきたい。

f:id:ocum2013-041:20180901131912p:plain

このコンセプトに関するツイートを一部抜粋していこう。

 拙訳:『@ACBCOMでは、あるピック&ロールDFが大いに普及し始めており、私はこれを”Jump Switch”と呼んでいる。これはPNRと関係ないプレーヤーを巻き込み、スクリーン(※ボールスクリーン)を使ってドライブしてきたドリブラーへハードにスイッチするコンセプトである。このカバーを説明するにあたって、@valenciabasket のこの動画クリップを見てほしい』

Guard forces ball into screen

拙訳:『ガード(※ガードDF)はボールマンに対してスクリーン利用を強要する』

'Contact' show from screener's defender

拙訳:『スクリナーDFは「コンタクト」ショウDF(スクリナーから離れないショウDF。スクリナーから離れるショウ DFだとスプリットを喰らうため)を行う』

Guard slips under the screen

拙訳:『ガード(※ガードDF)はスクリーンの下をすり抜ける』

'Nail' defender aggresively 'jump switches' on to the ball

拙訳:『「ネイル」DFがボールに向かってアグレッシブに'Jump Switch'を行う』

On ball defender switches on to the 'nail' defender's player

拙訳:『ボールマンDFは「ネイル」DFがついていたプレーヤーへとスイッチする』

 

拙訳:『この戦術(※"Jump Switch")を用いる各チームは、各チームのスクリーン(※ボールスクリーン)に対するカバー方法と組み合わせている(先程のクリップでは「コンタクト」ショウDFと組み合わせていたが、今回のクリップでは「ドロップ」DFと組み合わせている)が、ピックからドライブしてきたボールマンに対するアグレッシブな'Jump Switch'の技法は同じである。これが上手く実行されれば、オフェンスを完全に混乱させることが出来る』

Drop’ coverage at the point of the screen

拙訳:『スクリーン(※ボールスクリーン)に対して「ドロップ」カバー』

First defender removed from the PNR jump switches on to the ball

拙訳:『PNRに一番近いDFがボールマンに対してJump Switch』

On ball defender switches on to the open offensive player 

拙訳:『ボールマンDFがオープンなオフェンスへスイッチする』

 

 拙訳:『時折、'Jump Switch'で三人目のDFが駆り出されることがあり、その場合は全員総出のローテーションになる。@OBRADOIROCABのこの動画例を見てほしい。スクリーン(※ボールスクリーン)に対する「クイック・ショウ」と「ネイル」DFによるハードな'Jump Switch'までは以前と同じだが、今回は三人目のDFによるローテーションがある。』

’Contact’ show at the point of the screen

拙訳:『スクリーン(※ボールスクリーン)に対して「コンタクト」ショウを行う』

'Nail' defender jump switches on to the ball

拙訳:『「ネイル」DFがボールマンへJump Switch』

Weakside corner rotates to next pass

拙訳:『ウィークサイド・コーナーのDFが次のパスに対してローテーション』

Original on ball defender "X" to corner

拙訳:『最初にボールマンについていたDFがコーナーへX-Out Rotationを行う』

f:id:ocum2013-041:20190226153251p:plain

 

拙訳: 『なぜこの戦術が用いられるのだろうか? 1) スクリナーDFがロールするプレーヤーについたままでいられるので、ダンクになるようなパスが通らないし、(オープン3Pが打たれてしまうような)ウィークサイドからのtagの必要がなくなる 2)DFが正しい角度からアグレッシブに'Jump Switch'を行い、ガードが背後からハンドラーを追い掛ければ、それを「掻い潜る」のは難しい』

Tough gap to get this pass through with off defender rushing at ball and on ball defender closing gap from behind

拙訳『ボールマンに殺到するオフボールDFと背後から距離を詰めてくるボールマンDFを掻い潜ってギャップを得るのは難しい』

 

 拙訳:『では、このDFスタイルにはどのような問題があるだろうか? 第一に、「ネイル」DFがハードな'Jump Switch'を行える場所に居ない場合、(スクリナーDFは自分のマークマンをケアしていてヘルプに出られないので)フロア中央を割られてレイアップを献上することになる。こちらの動画クリップを見てほしい』

 

 拙訳:『第二に、Jump Switchは迅速、アグレッシブ、かつ深い角度で行われなければならない(そのため、DFはパスレーンに全身が入るようにする)。もし「浅い」角度、あるいは「平らな」角度で出てしまうと、簡単にパスされてしまう。こちらをご覧いただきたい。(注意:ウィークサイドの三人目のDFもローテーションの準備をしておかなくてはならない!)』

’Jump Switch’ is too flat of an angle so 'pass on' is easier

拙訳:『'Jump Switch'の角度がフラットすぎると、簡単にパスされてしまう』

 

 拙訳:『各チームはどのようにして'Jump Switch'を打開しているのだろうか? 一つの方法は、「カット&フレア」アクションを用いることだ。「フレア」カットにより'Jump Switch'のローテーション(ボールもリカバリーも)の距離が長くなる。「カット」によって、Jump Switchに際して必要な時にスタントorローテーションする「バディ」(三人目のDF)が取り去られてしまう。』

”Cut & Flare” action to take out third defender and make recovery rotations longer

拙訳:『「カット&フレア」アクションは三人目のDFを取り去り、リカバリーローテーションの距離を長くする。』

f:id:ocum2013-041:20190227034358p:plain

 

 拙訳:『最後に一つ、各チームはオフボールスクリーンに対しても'Jump Switch'を利用している。以下の動画クリップで@OBRADOIROCABは、Staggerスクリーンによって作られたカッターの優位を'Jump Switch'によって除去している。コーナーシューターからカッターへ'Jump Switch'し、カッターDFがコーナーへローテーションして、パスからの3Pにコンテストした。』

f:id:ocum2013-041:20190227042108p:plain

 

 拙訳:『そしてここでもまた、同じオフボール/Staggerスクリーンのケースにおける'Jump Switch'に対して「カット&フレア」戦術が利用されている』

f:id:ocum2013-041:20190227045219p:plain

 

ポイントをまとめると、

・PNRハンドラーに対して他のアウトサイドDFがスイッチし、ハンドラーDFがウィークサイドへとスイッチorローテーションするスイッチシフトのことを”Jump Switch”="Wall"と呼ぶ。

・コンタクト・ショウDFやドロップDFといったボールスクリーンDFと組み合わされて用いられる。

・「ロールへのパスが通りにくい」、「ウィークサイドでオープン3Pになるようなズレが発生しにくい」、「ボールハンドラーに強いプレッシャーがかかる」といった利点がある。

・ただし、他のアウトサイドDFがきちんとJump Switchに出られる場所にいないとハンドラーへのJump Switchが遅れてペネトレイトされてしまうし、ハンドラーへのJump Switchの角度やタイミングが悪いと簡単にパスをさばかれてしまう。

・Jump Switchに対するカウンター戦術として、ウィークサイドの二人の内、遠い方が中へカッティングし、近い方がコーナーへフレアカット(フェイドカット)する「カット&フレア」というものがあり、ローテーションの距離を引き延ばすことでズレを作り出すことが出来る。

・ボールスクリーンDFだけでなく、StaggerなどのオフボールスクリーンのDFでもJump Switchは活用されており、またオフボールスクリーンでのJump Switchに対しても、「カット&フレア」によるカウンターが有効である。

 

(以上)

 

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PNR関連Togetter紹介……『'short' PNR』、『Houston Rocketsから学ぶボールスクリーンの掛け方』

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今回は、PNR(ピック&ロール)関連の拙togetterを紹介していこう。

 

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上記togetterはCoach Liam Flynn (@coachliamflynn)による『'short' PNR』についての一連のツイートをまとめたものだ。

'short' PNRとは、PNRの際、ボールスクリーンをしない方の(シュート力の低い)ビッグマンが、ボールサイドの"ダンクポジション"(ショートコーナー辺り)に移動し、スクリナーがロールするスペースを作るコンセプトのことを指す。

f:id:ocum2013-041:20190223153916p:plain


一部ツイートを抜粋していこう。

 拙訳:『スクリナーでない方のビッグマン(non-screening big)にシュート力があればピック&ロールは簡単になるが、シュート力がない場合はどうなるだろう? 以下で複数のチームの'shorting' PNRを見ていこう。これは(シュート力のない)スクリナーでない方のビッグマンがボールサイドのdunker position(※ショートコーナーあたり)に位置取るプレーのことである。これを見てほしい』

Non screening big (who is a nonshooter from 3pt) goes to ballside short corner

拙訳:『(3Pの打てない)スクリナーでない方のビッグマンはボールサイドのショートコーナーへ向かう』

With the non screening big placed on the ballside in an attacking position close to basket

拙訳:『スクリナーでないビッグマンはボールサイドでバスケットに近い攻撃的位置(attacking position)に位置取る』

And a shooter spacing the floor on the same side as the roller

拙訳:『シューターはローラーと同じサイド(※コーナー)に位置取る』

...the defenders are forced to be accountable to their match up

拙訳:『...DFはそれぞれのマッチアップへのケアを強いられる』

Therefore a pocket is created for the screener to roll into

拙訳:『このため、ロールしたスクリナーのためのスペースが生まれる』

 

 拙訳:『こちらは @BasketballCLのチーム、@JerusalemBasketからの一例だ。スクリナーでない方のビッグマンがスクリナーのビッグマンと連携し、ミドルPNRの発生に合わせてベースライン沿いをカッティングしているのがわかるだろう。これにより、@Amareisreal がロールするスペースが生まれた。』

As the Mid PNR is being played up top...

拙訳:『トップでミドルPNRが発生した際...』

...Non screening big circles to ball side short corner...

拙訳:『...スクリナーでない方のビッグマンがボールサイドのショートコーナーに入る...』

This opens up pocket for screener to roll into

拙訳:『これにより、スクリナーがロールするスペースが生まれる』

Low defender is late on rotation and fouls

拙訳:『DFはローテーションが遅れ、ファールしてしまう』

 

 拙訳:『この例では、スクリナーでない方のビッグマンについていたDFがロールに対してヘルプに出たので、スクリナーでない方のビッグマンがオープンになり、簡単なダンプパス(※ダンプパス、ないしダンプ・オフ・パスは、ゴール付近でのアシストパスのこと)とダンクが生まれた。@taethomas35(スクリナーでない方のビッグマン)の読みが素晴らしく、彼は(ボールマンについているガードが最初のPNRをアンダーしたので)リ・スクリーンが発生することを予測して引き返し、同じ場所に留まった。』

 

拙訳: 『PNRを行っているガードは、DFがミスした際に、ショートコーナーに隠れているスクリナーでない方のビッグマンへ直接パスするという選択肢も併せ持っている。この@Pacersのクリップを見てほしい。スクリナーでない方のビッグマンのDFがロールのケアに向かったことで、 @leafsquad22(※スクリナーでない方のビッグマン)のダンクがオープンになった。』

f:id:ocum2013-041:20190224092908p:plain

 

推奨関連動画

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これはHouston Rockets Spread Pick & Roll - YouTubeを題材に、ビッグマンによるボールスクリーンの掛け方についてピックアップしたtogetterになる。

①ハンドラーDFの”裏側”にスクリーンをセットするBottom Half

②バックコートからのボールプレッシャーに対して高い位置にフラットスクリーンをセットするHigh Flat

③ハンドラーDFのスタンスに合わせて角度変更する"flip"

④ハンドラーのペネトレイト成功に合わせて(ハンドラーDFを引っ掛けずに)早めにロールするEarly Roll

という4つのコンセプトをまとめている。

 

【追記(2019/5/12)】

この4つのコンセプトに関する動画を作成したので、ぜひ一度ご覧いただきたい。

 → Ball Screen 4 Basic Skills - YouTube

 

ツイートを適宜抜粋していこう。

 

①Bottom Half

 

 

 

 

 

ポイントをまとめると、

・ハンドラーDFの裏側("Bottom Half")にボールスクリーンをセットすることで、ハンドラーDFにオーバーを選択させ、2on1を作ることが出来る。

・Dragなどでスクリナーが後方からエントリーする場合も、ハンドラーDFの背後までしっかり回り込んでから、Bottom Halfにスクリーンをセットする。

・Bottom Halfにスクリーンをセットする際、少し離れた場所にセットすることで、相手のファイトオーバーを抑止できる。

・ハンドラーが3Pラインに近く、DFがそもそもアンダーを選ばなさそうな場合は、Bottom HalfではなくLateral(横側)にセットする方が好ましい。

 

 

②High Flat

 

 

 

ポイントをまとめると、

・ハンドラーDFがバックコートから(一人で)プレッシャーをかけてくる場合、高い位置にフラットスクリーンを仕掛ける("High Flat")ことで、簡単に2on1を作れる。

・仮にアンダーされても、ハンドラーがFoot Raceの面で有利になる。

・スクリナーは迅速にターン&ダイブ(ロール)して2on1を作り、パスのレシーブやプットバックを狙う。

 

 

③”flip”

 

 

ポイントをまとめると、

・アイスやファイトオーバーといった、スクリーンの上を回ることでボールスクリーンを無効にしようとするDFに対しては、スクリーンの角度変更("flip")を行うことでハンドラーDFをより確実に引きはがすことが出来る。

・”flip”に対してハンドラーのドライブが遅すぎるとDFが容易に対応できてしまうし、ドライブが早すぎるとスクリナーのファウル(イリーガル・スクリーン)になってしまうため、角度変更に対するドライブのタイミングが重要になる。

 

追加の関連togetter:ピック&ロール…ファイトオーバーに対する”flip”(スクリーン角度変更) - Togetter

 

 

④Early Roll

 

 

 

ポイントをまとめると、

・ハンドラーDFがオーバーを選択した時点で、スクリナーはハンドラーDFとのボディコンタクト(”Hit”)に固執せず、迅速にロールする(”Early Roll”)のが好ましい。それによって相手のDFに対して速度的・タイミング的に優位に立てる。

・Early Rollに直接パスが入るのが最も好ましいのは当然として、Early Rollに対応させた上でのスキップパスなども有効になる。

 

推奨関連動画:

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【追記:2019/2/28】

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これはデアンドレ・ジョーダンとドワイト・パウエルという二人のプレーヤーを題材に、DFを攻略するにあたって機能しない悪いピックとは何か、逆に攻略に機能する良いピックとは何かについて考察したtogetterである。

ツイートを引用していこう。

 

 

 

 

 

 

 

ポイントをまとめると、

・悪いピックの特徴は、「適切な距離が取れていない=密着しすぎており、ハンドラーDFに簡単にファイトオーバーを許してしまう」、「ハンドラーDFのスタンス変更に合わせたスクリーンの(迅速な)角度変更が出来ていない」。

・裏を返すと、良いピックの特徴は、「適切な距離が取れており、ハンドラーDFに安易なファイトオーバーを許さない」、「ハンドラーDFのスタンス変更に合わせた迅速な"flip"が遂行できている」。(加えて、「適切な角度=Bottom Halfにセットして、ハンドラーDFのファイト―バーorアンダーを抑止している」ことも重要)

 

推奨関連動画:

youtu.be

 

 

 

(以上)

 

 

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