現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

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基本ムーブメント、セットオフェンス、DFシステム、ゾーンアタックなどを日々研究・解説しています。

プレーコール/サインの手法について

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今回は、プレーコール/サインの一般的な手法についての記事を紹介する。

 

wordsonthebounce.com

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この3つの記事では、そもそもプレーサインを出す前に、チーム内で共有すべきプレーの呼び方(プレーコール)についてまとめられている。

例えば、

・3番プレーヤーにEarlyでDragさせるなら"3 Go"

・2番プレーヤーにDouble Dragさせるなら"2 Double"

・1番と5番でPNRするなら"15 Roll"

Flexからポストプレーするなら"Flex Power"

といった具合だ。

上記ブログではWedge PNRを"Hook"と呼称したり、Flare Screenを"Chest"と呼称したり(これはStan Van Gundyのterminologyらしい)している。

(あと、ポストプレーのプレーコールにしても、Punchの方がよく耳にされるように思う。)

どのようなプレーコールを作るのであれ、2つのことが必要になる。

1つは、そもそもアクションそれ自体を定義付けて共有することだ。

実際に現代バスケットボールにどのようなアクションがあるのかについてについては、以下拙記事が参考になるだろう。

mbtr.hatenablog.com

もう一つは、疎通が容易なコールでチーム内に共有することである。

これは単純に呼び名という意味だが、ハンドサインへの置換が容易であればなお良い。

 

続くPart 4にて、実際のハンドサインへの置換の例について整理されている。

wordsonthebounce.com

 

抜粋してみよう。(*適宜要約し、私見による補足を加える)

数字と文字:最も簡単でかつコモン。例えば、1番(PG)と5番(C)のミドルピックなら”15”というシンプルなコールで、一方の手で1、もう一方の手で5を示す。選手にとっては左右逆に見えることに注意("15"とコールしたいのに、"51"で伝わってしまったら意味が全く逆になる) 文字を使うのは簡単で、C、V、Oなどを片手で示す。

 (個人的補足:コーチが出すときはこのサインでも良いが、コート内の選手が出したいときやや困る。ありうる手法としては、審判の背番号コールのように、一桁目は手の甲側を見せながら数字を示し、二桁目は掌側を見せながら数字を示すパターンなどだろうか。)

Drag Pick & Rolls:Drag、ないしGoはトランジションにおけるアングル・ボールスクリーン。わざわざコミュニケーションを必要とせずとも運用できることが多いが、サインを出すとしたら、腰から真っ直ぐパンチを突き出すモーション(Go)になる。

Middle Pick & Roll:一番シンプルなコールはヘッドタップでスクリナーに来るよう要求するもの。NBAのいくつかのチームは顎(Chin)のタップを使っている。(過去にオーランド・マジックでプレーしたHedo Turkogluなど)

  (個人的補足:Fist(握りこぶしを掲げる)でスクリーンを呼ぶ手法もある)

Side Pick & Roll:簡単なサインとしては、自分の体(脇や腿など)の側面を手でタップするものがある。

  (個人的補足:ハンドラーDFの左右どちらかを指差してスクリナーを呼びつつ方向を指定する方が使いやすいイメージ)

Slip Pick & RollPart 2で述べたように、私は"X"のサインを好んで用いている。腕でXを作るだけで良い。

  (個人的補足:これもハンドラーが片手で出せないのがやや困る。片方の手だけ交差するように出す=逆側の肩を触るイメージで通じるだろうか)

Horns Pick & Rollテキサス大学アメフトチームのHook'em horns(角で引っ掛けろ)のハンドサインにあやかって、人差し指と小指を立てて左右の角に見立てたハンドサインを用いる。スロット(訳注:ウィングとほぼ同義)からHorns形を作るなら、自分の位置に合わせてハンドサインを横に向ける。

Twist Pick & Roll:2人が連続的に左右それぞれからピックするプレーのことで、Hornsから展開する場合は単純に、Hornsのハンドサインを左右にねじる。

Hook Pick & Roll:Wedge PNRのことで、人差し指か中指で引っ掛ける(hooking)サインを出す。

Elbow Action:エルボー起点のオフェンスの際は、まず肘をタップして、続くアクションのサインをさらに出す。

  (個人的補足:これもハンドラーが片手で出せないのがネック。単に肘を掲げて見せるだけで(タップしなくても)通じる気もする、肘を掲げて見せてから、力こぶをつくる動作をするだけで、Elbow Flexをコール出来るので便利)

Flex Action:単純に腕で力こぶを作る(flex your arm)。

Post Action:コールは"Power"。握りこぶしで自分の胸を叩く。

   (個人的補足:”Punch"コールでも同じ動作で良さそう)

Flare / Backscreen Actions:単に背中(Back)をタップするサインが使いやすい。

Motion:人差し指を立て、そこに投げ縄を引っ掛けて回すようなサイン。

Floppy:開いた手を上下にパタパタと振る("flop")。

Pin-Down:胸(chest)の正面をDFに当てるという意味合いで、胸の前で平手を振るのが簡単なサイン。

   (個人的補足:ユーザーを単に指差すサインの方が使いやすそう。そうした方が、1本指で指差したらPindown、2本指で指差したらStagger、という風に応用が効く)

Zipper:ジャケットのジッパーを開けるように手を上下するサイン。

 

 

以上