0. ボールムーブメントの指針
・ボールムーブメントの目的は、ボールを動かすことで相手のDFをStretchさせたり、ストレスをかけたりすることで、オープンショットやイージーショットを作り出すことである。
・そのためには、相手DFの収縮⇔クローズアウトを強制する「インサイドアウト」が欠かせない。(どのようにインサイドにボールを置くか、が問題になる)
・また、インサイドアウトの後のパスorドライブの的確な選択が重要になる。
1. インサイドにボールを置く
ポストへのパス
ポストへのパスは、インサイドへボールを入れる最も典型的なプレーだろう。
ポストへのディナイがあったとしても、図の通り、コーナー&ローや、スキップパス&ローといった形(パスを入れるアングルの変更)を取ることで、ポストにボールを入れることが出来る。
勿論、ポストマンがディナイの”裏”を取り、そこにロブパスを飛ばすというパターンもある。
ドライブ
ドライブも、インサイドにボールを置く極めて単純な方法の1つである。
ボールハンドラーはこの際、ドライブしながらも、他のプレーヤーの動き、どこがオープンになっているかを正確に把握する能力が必要である。
カッティングへのパス
オフボール・カッティングへのパスも、インサイドにボールを入れる手段の一つになる。こうしたオフボール・カッティングでは、カットマンがシュートに固執しすぎることが問題になりがちなので、カットマンは常にパス・パスアウトをオプションとして意識する必要がある。
2. パスとドライブの選択
ドライブからのパターン例
良いボールムーブメントの例として、ドライブからの展開例を記述してみた。
ウィング→コーナー、コーナー→ウィングのExtra passによってDFをクローズアウトさせ、インサイドにスペースを作ってからドライブインするという構図である。
当然のことながら、キックアウトおよびExtra passの段階でのシュートは常にファーストオプションとなる。
ロールインへのパスからの”悪い”例
ロールインへのパスからの悪い例。
二番目の図の場合は、3へパスしてx3をStretchさせる必要がある。
三番目の図の場合は、ヘルプサイドに残り4×2人が固まっている状態なので、ドライブ自体が望ましくなく、シュートを打つか、オフボールの動きを待つべきとなる。
ロールインへのパスからのパターン例
ロールインへのパスからの修正例。
三番目の図では、ドライブ以外のオプションとして、再びインサイド(ポスト)へパスするパターンを記載した。
このパターンのように、ポストマンがそのまま貰う場合もあれば、Stretchしていた他のプレーヤーがカッティングして貰うパターンもある。(特に、コーナーからベースライン沿いに飛び込むパターンは頻出。ただし、息があってないと難しい…。)
3. リプレース / リターンパス
リプレース
より良いボールムーブメントのために、より良いオフボールムーブが必要なのは当然のことだが、特にリプレースを取り上げよう。(Dragとも呼ばれることがある)
リプレースは文字通り、ドライブはPNRによって生まれるフリーエリアに新しいプレーヤーがSpot upする動きだ。ローテーションの関係上、このSpot upを完全にディナイすることが難しく、そのためペネトレイトからのスムーズなボールムーブのために欠かせない動きとなってくる。上図はドライブ、PNRについてそれぞれ例示したもの。
リターンパス
コーナーまでボールを動かしたもののギャップを作りきれず…という場面は少なからず起こる。それに対して有効なコンセプトがリターンパスで、ウィングにボールを戻すことによって、上図のようにトップまで戻したり、あるいはサイドピックに移行できたり、という風にオフェンスを組み立てなおすことが出来る。もちろん、左右ウィング同士のリターンパス&PNRといった形も有効だろう。
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