今回は、度々引用している高坂晴耶(ミネソタ)さんの動画チャンネルの中から、「ショウディフェンスを崩す動き」という動画を図解付きで紹介していく。
ショウディフェンスを崩す動き~スクリナー編~
①スリップ
相手がハードショウを行うとあらかじめ分かっている場合は、上記のようなスリップインが有効になる。
[スリップインに対してヘルプサイドDFがバンプしてくる場合は、ヘルプサイドのプレーヤーへのスキップパスを選択することも出来る。]
[また、スリップに対してx5が慌てて戻るようなことがあれば、もともとx5が居たコースがオープンになり、オープンになったコースでドライブすることが可能になる。DRIVE THE SLIPと呼ばれるコンセプトであり、スイッチアタックとしてもよく用いられる。
DRIVE THE SLIPについては、詳しくはスイッチDFの攻略法 追加の方をどうぞ。]
②リピック
相手がハードショウを行うということがあらかじめ分かっているとき、ボールスクリーンの方向を途中で変更して、ハードショウを無効にするコンセプトである。
(上図にも書いた通り、このようなボールスクリーンのアングルチェンジのことは、俗にflipと呼ばれることが多い)
③UCLAカット
UCLAカットのケアをさせることで、ボールスクリナーがハードショウを行うことを未然に防ぐと言うコンセプト。
[似たようなコンセプトとして、ボールスクリナーがあらかじめスクリーンを使用し、マークマンDFとの距離を作ってからピックに向かうというWedge Rollというコンセプトがある。
Wedge Rollについては詳しくは現代バスケットボールの基本的な動きの方をどうぞ
これと全く同じコンセプトが、後半の「ハンドラー編②スクリーン・ザ・スクリナー」として紹介されている]
④ハンドオフフェイク
相手がハードショウを行ってスクリナーの前のコースを空けたり、あるいはハードショウに備えて眼前のコースを最初から空け気味にしている場合、ハンドオフを行うフェイクからドライブを狙うことが出来る。
[その他、ハンドオフ、DHOの基本パターンについては、STSに対するスイッチ / Zipper SOBに対するスイッチ / DHOの基本オプションの方で紹介・解説したのでぜひご一読を]
⑤ポップアウト
相手のハードショウに対し、ポップすることでオープンでボールを受けるコンセプト。
ロールインの場合は、ヘルプサイドDFによるパスカットのリスクが高まるので、こちらの方が用いやすい場面も少なくない。
ショウディフェンスを崩す動き~ハンドラー編~
①スプリット
ハードショウしてくるDFがワンアーム以上離れている場合は、上図のように、スクリーンとスクリナーDFの間を割って(スプリットして)ペネトレイトすることが出来る。
②スクリーン・ザ・スクリナー
[スクリナー編③で紹介したWedge Rollと全く同じコンセプト。Wedge Rollを再掲しておく。]
③切り返し
スクリナーのロールインと並行して、ハードショウの反対側にドリブルを切り返すコンセプト。
[動画では、そのままロールインしたプレーヤーへのパスが選択されていたが、以下のように、Clearoutを併せてペネトレイトするというオプションもあるだろう。
上図は、スイッチアタックの一種であるDRIVE IT BACKというコンセプトに似たものになる。
DRIVE IT BACKについて詳しくはスイッチDFの攻略法 追加をどうぞ)
④中継役にパス
ハードショウに際して、仮にスクリナーがオープンであっても、スクリナーに直接パスを出すのはプレッシャーの関係で難しいことが多いが、上図のように中継役を経由してアングルを変えることで、スクリナーに容易にパスを通すことが出来る。
[このコンセプトは、スイッチDFに対しても効果を発揮する。NBAでの実際の使用例をスキルメモ(スクリーンを掴む、ハンズオフの基本スキルとしてのレッグスルービハインドetc)にて取り上げたことがあるので、関心あればぜひご一読を]
以上。
高坂晴耶(ミネソタ)さんの関連記事は以下