現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

基本ムーブメント、セットオフェンス、DFシステム、ゾーンアタックなどを日々研究・解説しています。

現代バスケットボールの基本的な動き

この記事では、現代バスケットボールの基本的な動きをまとめていく。
 
どのチームのFlow offenceないしSet offenceも、これらの基礎的なムーブメントを組み合わせて作られているものがほとんどだ。
 
今回特に参考にしたのは、Golden State WarriorsとLos Angels Clippersのvideo playbookである。
 
 
 
 
 
他のチームのプレイブックもYoutubeでは多くアップされているので、興味のある人はぜひ目を通すと良いと思う。
 
 
 
 
 
系統としては
①Two men play
②Three men play
③PNR
④Swing
⑤Set Example
におおまかに分類した。
 
※緑はパス、赤はドリブル
 
①Two men play オフボールの二人、ないしボールマン+一人で行う動き
 
Pindown(Away Screen)
 
最もシンプルなスクリーンプレー。コーナーにいるプレーヤーへ一枚のダウンスクリーンをかけるプレー。
DFの対応に従って、Curl、Flare、Rejectの三種類の動きがある。

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Away Slip
 
Away Screenをセットしたスクリナーが、スクリーンをキャンセルしてリムへカットインするプレー。
Slip自体は、スクリーンをキャンセルするプレー全般を指す言葉。

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Invert
 
Away Screenのユーザーが、スクリナーに再びAway Screenを掛けるプレー。最初のスクリナー(基本的にインサイド)のシュート力があると有効なムーブメント。
 
 

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Twist
 
Away Screenのうち、特にCurlRejectから発展し、スクリナーのギャップを利用するプレー。3Pライン上でオープンを作るのに極めて有効なムーブメント。
 
 

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Split
 
ポストにボールがあるときに、アウトサイド同士で行うスクリーン&カッティングプレー。「シザース」という俗称もある。下図のパターン(スクリナーのBackdoor)以外にも、ユーザーのBackdoor & スクリナーのReplaceといったバリエーションがある。
 

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Thunder
 
ローポストのF or Cに対してGがダウンスクリーンをかけ、エルボーでボールを貰わせるプレー。
 

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Flare Screen
 
ボールから逆方向にスクリーンをかけ、ロブパスを行うプレー。
 

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Wiper
 
Flare Screenの後、再度スクリーンを利用してボール方向に動くプレー。
 

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Flare Slip 
 
Flare Screenのスクリナーが、スクリーンをキャンセルしてカッティングするプレー。
相手がスイッチDFを多用する場合、特に効果的なムーブになる。
 

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Rip
 
Elbow~Wingのプレーヤーにアップスクリーンをかけるムーブ全般を指す。
 

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Rub
 
カッティングするGが、カッティングをキャンセルしてF or Cにアップスクリーンを掛けるプレー。
 

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Hammer
 
Wingのプレーヤーにアップスクリーンをかけてコーナーに動かすプレー。
 

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DHO
 
Dribble Hands-Offの略。
派生形として、Through、Reject、Angle ChangeからのPNR移行などがある。
 

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Flip 
 
パスを出した先に走り込みハンズオフを行うプレー。Flip Flare、Flip Thunderと言った連続のオフェンスに発展する。
 

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②Three men play オフボールの3人ないし、ボールマン+二人で行う動き
 
Double Screen
 
二人(主にインサイド)が"横"に並んでダウンスクリーンを掛けるプレー。スイングしてくるGに対してセットするのが一般的である。
 

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Elevator door 
 
シューターをカットアウトさせた後、そのランニング・コースにダブルスクリーンをセットするプレー。自動ドアが閉まる様に似ていることから、この名前がついている。
 

 

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Double Stagger
 
コーナーのGに対し、二人で"縦"に並んでダウンスクリーンをかけるプレー。下図で示すような多彩なパターンがあり、3Pライン上でオープンを作るのに長けるムーブメント。
 

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STSFlex and Rip)
 
他のオフボールスクリーンとダウンスクリーンを組み合わせ、スクリナーにダウンスクリーンをかける(Screen-The-Screener)ことでギャップを作るプレー
 

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UCLA Cut
 
トップのGがWingのG or Fにボールをパスし、トップのGに対してCがアップスクリーンを掛けるプレー。このプレーを起点とする多彩なオフェンスパターンが存在する、極めて有名なムーブメント。
 

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Pistol Action (21 series)
 
1→2のDHOから、ボールスクリーンに移行する形を基本とするプレー。DHOと見せかけて2が(1へ)ボールスクリーンを行うパターンや、2へパスして1がDHOを貰いに行くパターンなど、様々な形がある。
 

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Wedge Roll
 
GがF or Cにスクリーンを掛け、ユーザーのF or Cがボールスクリーンを行うプレー。F or Cのマークマンにギャップを作り、ボールスクリーンへのヘッジを難しくすることが出来る。
 

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Zipper Cut
 
ボールハンドラーのWingへのドリブルダウンに合わせて、元々Wingに居たGがインサイドのダウンスクリーンを受けつつトップに移動するプレー。これ自体はオフェンシブな動きではないが、サイドチェンジや他のプレーへの移行に際してよく多用されるムーブメント。後述するFloopyというプレーに移行するパターンは特に”Loop”と呼ばれる。
 

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Chicago play
 
Away CurlとDHOを組み合わせたムーブ。
ボールマンにあらかじめギャップを作っておくことで、DHOをスムーズに行えるよう工夫されている。

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③PNR ボールスクリーンを起点とした動き全般
 
Roll&Replace
 
PNRで最も基本的なオプション。スクリナーがロールインし、ユーザーとスクリナーが空けたスペースを他のプレーヤーが埋めるムーブメント。
 

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Pop&Dive
 
PNRの第二オプション。スクリナーはポップアウトし、もう一人のインサイドがゴール下への合わせを狙う。スクリナーにシュート力があるときに有効なプレー。
スクリナーがインサイドプレーを得意とする場合はRoll&Replaceを行い、アウトサイドシュートを得意とする場合はPop&Diveを多用するといった形が好ましい。
 

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Angle Change
 
PNRでスクリナーが角度を変えて再度ボールスクリーンを行うプレー。一度のボールスクリーンでギャップが生まれなかったときに極めて有効なオプション。
 

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PNR Slip
 
PNRスクリナーがスクリーンをキャンセルし、カッティングを行うムーブ。ペイントエリアにスペースがある場合はスリップイン、アウトサイドにスペースがある場合はスリップアウトを行うのが好ましい。
 

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Chase
 
オフボールスクリーンのあと、オフボールスクリナーがPNRに向かうムーブ。(オフボールスクリーン・ユーザーを”追い掛ける”ことからChaseという名がついた)
AwayからトップへのChaseへの移行ムーブは、特に"Bullet"と呼ばれることがある。
なお、オフボールスクリーン・ユーザーがボールを貰わなかった場合(ボールハンドラーが変わらなかった場合)も、オフボールスクリナーがPNRに向かえば広い意味でChaseと呼称することもある。
下図は、Zipper CutからのChaseの形。(Zipper Chase)
 

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Throwback
 
パス展開にボールスクリーンを仕掛けた後、PNRスクリナーが最初のパサーにスクリーンを掛けに行くムーブ。PNRに対するDF収縮を逆手に取り、容易な3Pを生むことが出来る。
 

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Spain Pick&Roll
 
PNRスクリナーにGがアップスクリーンを掛けるムーブ。アップスクリーンをかけたGがアウトサイドでワイドオープンになりやすい。
 

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Drag, Double Drag
 
エントリーで後ろから走りこんだインサイドがWingのG or Fにボールスクリーンを掛けるプレー。インサイド二人でダブル・ボールスクリーンに向かうDouble Dragというプレーもある。

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DHO+PNR 
 
DHOに対してさらにボールスクリーンをセットするプレー。
ギャップが出来やすくなることはもちろんのこと、ボールスクリナーを二人設置することになるので、スイッチは混乱するし、DFも外へ引き出されることになる。
 

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④Swing Gの横断的な動きを主軸にしたプレー
 
Over Under
 
両Wingのガードが、一方はボールサイドカット、一方はベースラインスイングを行うプレー。ベースラインスイングに対してはダウンスクリーンをセットする。
 

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Floopy
 
両Wingのガードのうち、片方がスクリーンをかけ、スクリナー・ユーザーの双方が、インサイドのダウンスクリーンを貰いつつWingへとリプレースするムーブメント。
ユーザーやスクリナーが左右どちらのWingに移動するかが自由なので、そこに駆け引きが発生し、アウトサイドでのオープンが生まれやすい。
また、両Wingがディナイされる場合はBackdoorへの移行が有効で、ポストマン(4or5)がハイポストにFlashし、2or3のバックドアを狙うプレーで容易に得点することが出来る。
 

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⑤Set Example 上記のプレーを組み合わせたセットの数々
 
 
Loop Hammer
 
Zipper Cut → Floopy → Hammerで構成される有名なセットオフェンス。多くのチームがこぞって愛用している。
 
 

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Hawk Action
 
UCLA Cut → PNR → Double Screenで構成される有名なセットオフェンス。このセットも普及度が極めて高い。
 
参考動画:Spurs Hawk Action
 

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Fist Miami (Heat High Pick&Roll Chest Clear)
 
HornsからのWedge Roll → PNR Slip & Flare Screenで構成されるセットオフェンス。レイ・アレンが好んだ往年の名セット。
起点は厳密にはWedge Rollとは少し違うが、ボールスクリナーにあらかじめスクリーンを掛けるというアイデアは共通する。
PNR SlipにFlare Screenを組み合わせることで、ボールスクリナー(レイ・アレンがこのポジションを務めた)がワイドオープンになる。
 
 

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これら以外の多くのセットも、基本的には上記のムーブメントの組み合わせによってほぼ成り立っているので、これらのムーブメントへの理解が深まれば、既存セットの構造を理解しやすくなるはずである。