現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

基本ムーブメント、セットオフェンス、DFシステム、ゾーンアタックなどを日々研究・解説しています。

スティーブ・ナッシュで学ぶP&Rセットアップ、P&Rからのパス、ペイント内スコアリング

いつもお馴染みPICKANDPOP.NETからの記事紹介。

 

pickandpop.net

 

①STEVE NASH PICK & ROLL SETUP + ANGLE HIPS

www.youtube.com

 

スティーブ・ナッシュのP&Rのセットアップとアタッキングについて、映像付きで紹介されている動画になる。逐一、解説していこう。

 

PNR SETUP - IMPROVES ATTACK ANGLE BY CREATING SPACE VS ICE

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ICEに対するアタッキングとして、プルバックしてスペースを作って攻めるコンセプト。

スピード・ミスマッチを攻めたり、スプリットドリブルやSnakeなどを狙ったりするにあたって、前後のスペースを確保しておくことは決定的に重要になる。

 

USES GLIDE HESITATION TO DRAG D AWAY FROM SCREEN

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グライド(=滑らかな)・ヘジテーションでハンドラーDFを逆方向に振り、そこからクロスオーバーすることで、ボールスクリーンに掛かりやすくするコンセプト。逆方向に振ることでハンドラーDFも自然と距離が空き、ファイトオーバーは極端に難しくなる。

 

USES SKIP HESITATION TO SETIP PNR

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スキップ・ヘジテーションをP&Rに組み合わせたコンセプト。

図示したように、スキップ・ヘジテーションに対してハンドラーDFが距離を空けてコースを塞げばクロスオーバーしてボールスクリーンに引っ掛けることが出来るし、ハンドラーDFが十分な距離を空けてコースを塞いでこないなら、そのままリジェクトドライブで攻撃することが出来る。

 

HIP SWIVEL

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ヒップ・スウィベル(Swivel=回転椅子)は、見ての通り、半ば背を向けた状態から腰を回転させて正面を向き、それに合わせて距離を取ったハンドラーDFをボールスクリーンに引っ掛けるコンセプト。

Hip Swivelに対してハンドラーDFが距離を取ってこない場合は、最後に図示したパターンのようにそのままドライブ(リジェクトドライブ)で攻撃することが出来る。

 

DRIVES HARD & CHANGES DIRECTION FOR SETUP [BEHIND BACK]

  →  NASH CUTS BACK VS UNDER - D SCREENS OWN MAN

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強くドライブしてから、(ビハインドバック・ドリブルなどで)方向転換してボールスクリーンに引っ掛けるコンセプト。

それに加えて、ハンドラーDFのアンダーに対して、ナッシュはさらに逆方向へと切り返す。これにより、ハンドラーDFとスクリナーDFがDF同士でスクリーンを掛け合ってしまっている状態になり、ペネトレイトが可能となる。

 

BULLDOG

各種フェイクを交えつつハンドラーDFの意識を自分に集中させてボールスクリーンに引っ掛けるコンセプト。

 

WITH SIZE ADVANTAGE, USES BACK DOWN TO SETUP PNR

ハンドラーDFに対してサイズの優位がある場合は、バックダウン・ドリブル(背中を向けて押し込むドリブル)で相手を押し込むことでボールスクリーンに引っ掛けることが出来る。

 

SPIN DRIBBLE SETUP

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ハンドラーDFの位置を適切に誘導してから、スピン・ドリブルを行ってボールスクリーンに引っ掛けるコンセプト。

 

USING PIVOT FOR SETUP

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ピボットを踏み、ハンドラーDFに対応させてボールスクリーンに引っ掛けるコンセプト。ピボットに対して適切なスタンスを取ってこない場合は、リジェクト・ドライブが効くことになる。


HIP TO HIP - PLAYING ON STRAIGHT LINES

P&Rアタッキングのコンセプトで、カバーDFや、ギャップのあるハンドラーDFなどに対し、ボディコンタクトしつつアタックするもの。

Ryan Krueger 基本スキル動画まとめの「③ガードのフィニッシュ」で紹介した、SHOULDER DRIVE OFFやINITIATE CONTACTなどを総合したコンセプトといえる。


HOSTAGE DRIBBLE

Hostageは「人質、担保」といった意味で、P&Rに対してオーバーしてきたマークマンに対して背を当ててボールを守りつつドリブルして攻撃するコンセプト。(put into the jailとも呼ばれるプレー)

ここからSnake Dribbleなどに派生していく。

 

GORTAT SCREENS OWN MAN AS NASH IS SNAKING SCREEN

NASH USES SNAKE SCREEN FROM GORTAT - DRAWS 2

Snake Screenとは、ハンドラーのSnake Dribbleの中で、カバーしているスクリナーDFに対して、元のスクリナーがスクリーンに向かう(Screen own man)コンセプトのこと。

このプレーは、Coach Danielも ”jail clearout” という形でまとめている。詳しくは最新NBA戦術紹介① The Clearoutを一読あれ。

 


CUTTING ANGLE - DEFENDER CANNOT RECOVER/CONTEST ON GATHER

Cut Backやリジェクト・ドライブを駆使しつつ、オープンスペースへとドライブして、ハンドラーDFのRecoverや、DF全体のContestが間に合わないようにフィニッシュするもの。

 

 

②STEVE NASH Pick & Roll Passing

www.youtube.com

次はスティーブ・ナッシュの映像で見るP&Rからのパスの紹介・解説である。

 

"PATIENCE"

Patience=忍耐のこと。ペリメーター内で(ドリブルやピボットなどで)忍耐強くボールを保持してからパスを行うパターンが紹介・解説されている。

 

 - USES HOSTAGE DRIBBLE - GORTAT ROLLS TO BALL SIDE

この項では、ナッシュは①で解説したHostage DribbleでGortatのボールサイド・ローポストへのロールを待ち、パスを入れている。


 - NASH USES GRETZKY... ON A VEER [EMERGENCY SWITCH] THROWS LOB

ナッシュのCircle Under(Circle UnderについてはRyan Krueger 基本スキル動画まとめの「③ガードのフィニッシュ」の項目を参照)に相手がVeer=Late Switch(Veer=Late SwitchについてはスパーズのP&Rディフェンス(Drop, Late Switch, etc) / Chop cutについてをどうぞ)を行ってきたのに対し、インサイドのサイズ・ミスマッチに対応してGretzkyにロブパスを出している。

 

 - CHANGES SPEED IN THE LANE, FORCES SCREENER D TO VEER

急加速によってスクリナーDFのカバーを引き出し、その結果相手にVeer=Late Switchを強要して、発生したインサイドのサイズ・ミスマッチにパスを入れている。

 

 - AFTER SNAKING, NASH USES PIVOT, RIPS EAR TO EAR, POSTS SMALL

Snake DribbleでスクリナーDFをネイルあたりまで引き出し、ピボットを踏んで、発生したインサイドのサイズ・ミスマッチにパス。

 

 

WINDOWS & POCKETS”

P&Rに際して、空いたスペースにパスを通すパターン。

 

 - USES EAR PASS TO FIND ROLLER - INSIDE HAND DOWN TO DEFLECT POCKET PASS

ポケットパス(ドリブル中に手元(Pocket)から出すパス)を遮るようなスクリナーDFの手の動きに合わせて、耳の高さからパスを通すパターン。

 

 - USES PIVOT TO CREATE PASSING LANE - AFTER DRAWING 2

P&Rでドライブしてから、リバースピボットを踏んでポップしたプレーヤーやリプレースしたプレーヤーにパスを出すパターン。


 - NO PIVOT OR EXTRA DRIBBL NEEDED TO DELIVER BEHIND BACK PASS

ビハインドバックパスなら、リバースピボットを踏んだり余計にドリブルを突かなくてもポップやリプレースにパスを通せる。

 

 - FINDS POCKET, MAKES PASS BETWEEN DEFENDER'S LEGS

ディフェンダーの足の間を通して、レシーバーとゴールの間のスペースにパスを出すプレー。

 

 - CREATES POCKET BY RAISING HANDS OF D W/ BALL FAKE

シュートフェイクでハンドラーDFとスクリナーDFの両方にContestを促し、それによって生じた下半身部分のスペースにパスを通すプレー。

 

 - DECELERATION WITH SHOT FAKE GETS D TO RAIS HANDS

相手DFの手を挙げさせるために、減速+シュートフェイクを行うプレー。


- RAISES HANDS OF D W/ GATHER [JUMP]
ANTICIPATES CONTEST, NASH MAKES BOUNCE PASS

ジャンプして相手のシュートコンテストを誘い、それに合わせてバウンドパスを出すプレー。

 

 

”READING THE D”

相手のDFローテーションに合わせてパスを変えるコンセプト。

 

 - NO TAG + ROLLER GETS BEHIND DROP
[SCREENER BIG D] - THROWS LOB TO THE CORNER OF THE GLASS

スクリナーのロールをBump(この動画では”TAG”と呼ばれている)するDFがおらず、かつスクリナーDFがハンドラーをドロップで守っている場合、ロールしているスクリナーにロブパスを通すことが出来る。

 

 - LOWEST MAN [LOW 1] GOES TO TAG ROLLER, NASH THROWS OVERHEAD SKIP PASS

スクリナーのロールを(下側の)ヘルプサイドDFがBumpすれば、ハンドラーはヘルプサイドへとスキップパスを出す。

 

 - HIGH 1 GOES TO TAG POCKET, NASH THROWS HOOK PASS TO DEAD TOP

スクリナーのロールを上側のヘルプサイドDFがBumpすれば、ハンドラーはオープンになったトップのプレーヤーにフックパスを出す。

 

 - NASH DRAWS TWO, MAKES NEXT PASS, TEAMMATES ATTACK 4VS3

ハンドラーにDF二人をおびき寄せることが出来れば、パスを出してチームメイトに4vs3で攻撃させる。

 

 

"FREEING TEAMMATE"

 

 - HEIGHT OF DRIBBLE WITH POCKER PASS, FREEZES DAMPIER FOR 1/2 SECOND TO GIVE GORTAT TIME & SPACE FOR FINISH

高さのあるドリブルでカバーにきたスクリナーDFを釘づけにして、ロールするスクリナーにフィニッシュのための時間とスペースを与える。

 

 - SCREENS GAP HELP ON EXIT CUT

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キックアウトした先がオープンになるように、EXIT CUT&SCREENでレシーバーのDFにスクリーンを掛けてレシーバーをオープンにする。

 

  - VS SOFT SHOW - STRINGS OUT SCREENER D EAST WEST

スクリナーDFを逆方向に引き出し、その結果ヘルプサイドで発生するギャップにパスを通す。

 

 - NO LOOK PASS FREEZES TAG, BUYS TIME AND SPACE

ノールックパスによって、ローテーション対応を遅れさせ、時間とスペースを味方に与える。

 

追記:P&Rからのパッシングについては、以下記事の「⑤ピック&ロールからのパス」の項目も参照推奨。

mbtr.hatenablog.com

 


③Steve Nash SCORING IN THE PAINT

www.youtube.com

ペイントエリアからナッシュがどのようにスコアリングしているかがまとめられている動画。

 

PIVOTS

ピボットを駆使してフィニッシュするパターン。ベースライン側から侵入してCIRCLE UNDER(一度ゴール下を通過するプレー。こちらの③参照)を通してピボットを行うパターンや、ミドル側から侵入してピボットを行うパターンなどがある。

 

HIP TO HIP - INSIDE SHOULDER

ハンドラーDFや、カバーに出てきたDFと肩でコンタクトして、ブロックを防ぎつつフィニッシュするパターン。こちらの③で紹介したINITIATE CONTACTやSHOULDER DRIVE OFFを包括するコンセプトの模様。

 

SPIN

進行方向をDFに塞がれた場合にスピンムーブを用いて得点するパターン。

 

CUTBACK

こちらの③で紹介したMIDDLE REVERSEと同じコンセプトで、ペネトレイトから普通のレイアップではなくバックシュート(REVERSE)でフィニッシュすることでブロックを防ぐプレー。

 

HIGH OFF GLASS

ボードの高い位置に当てるシュートを打つことで、ブロックを回避する。

 

EURO

言わずと知れたユーロステップ。

 

EXTENSION ONE FOOT

片足で踏み切り、ボールを持った片腕を伸ばして(EXTENSION)、レイアップやReverseでフィニッシュするパターン。

踏み切る前にボールを両手で掲げて、相手が(ブロックetcのために)腕を挙げるのを誘ったりするとより効果的な模様。

 

EXTENSION TWO FOOT
両足で踏み切ってEXTENSIONを行うパターン。こちらの方がよりコンタクトに強い様子。

 

BABY HOOK

文字通りのベビーフック。ブロック回避に用いられる。

 

RUNNNER

走り込みながらのジャンプショットやフローターのパターン。

 

FREEZING D

ドリブル中に一度停止して、パスを狙う素振りを見せてカバーDF等と硬直させ、その隙にフィニッシュするパターン。

 

追記:ガードのフィニッシュパターンをまとめたものとしては、以下記事の「③ガードのフィニッシュ(フローター、ランナーetc)」を参照推奨

mbtr.hatenablog.com

 

 

↓PNR(P&R、ボールスクリーン)関連記事

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