現代バスケットボール戦術研究(Modern Basketball Tactics Research)

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バウンズパス(bounce pass)の有効性と実例

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バウンズパス(bounce pass)は、名の通り、バウンドさせてパスを出すスキルであるが、どのような性質を持ち、どのような場面で有効なのか、実際のシーンを取り上げながら解説していこう。

 

 上記のシーンのように、バウンズパスは、インターセプトを防ぐ、という効果を持っている。DFは通常、直線のパスを想定して、手を体幹の横側に出しつつインターセプトを狙うが、バウンズパスはその裏をかくことが出来るというわけだ。

 

次のシーンを見てみよう。

 ここでは、インターセプトを防ぐ という一つ目の効能に加えて、味方の位置を修正させ、さらにバウンドによってレシーブさせやすくするという、第二、第三の効能があることが明らかになる。

この第二、第三の効能は、これから紹介していくシーンの数々と整合的に扱うため、②プレーヤーが進む先の「空間」に出す、及び③バウンドさせることで、「空間」に出した際に、レシーバーがタイミングを合わせやすい という風にまとめることにしよう。

 

さて、それでは次の3つのシーンをご覧いただきたい。

 

 

 

今一度まとめると

インターセプトを防ぐ(DFは基本的に直線のパスを意識してインターセプトを狙うため)

②プレーヤーが進む先の「空間」に出す(→味方OFが動きの中でレシーブ&スコアしやすい)

③バウンドさせることで、「空間」に出した際に、レシーバーがタイミングを合わせやすい(→レシーブの安定性が高まる)

 

バウンズパスは、使いこなすことが出来れば、インターセプトを防ぎつつ、動きの中での得点を生み出し、なおかつレシーブの安定性(安全性)も高めるという、多くの利点を持っているということになる。

 

 

次はビハインドバックパスとバウンズパスの組み合わせのシーン。

 

 

 ビハインドバックパスをバウンドさせて出すことは、③バウンドさせることで、「空間」に出した際に、レシーバーがタイミングを合わせやすいという利点をより一層有効に活かす、優れたオプションになるというわけだ。

 

 

次は、タッチダウン・パスにバウンズパスを複合させるパターン。

 

 これらのシーンでは、③バウンドさせることで、「空間」に出した際に、レシーバーがタイミングを合わせやすい から発展して、バウンズパスを利用することによって、強いハイスピードなパスと、レシーブ安定性との両立をはかっている。そして、インターセプトし辛く、キャッチミスも少ないタッチダウン・パスを生み出しているというわけだ。

 

最後に、タッチダウン・バウンズ・パスにさらにバックスピンを組み合わせるという発展パターン。

 

 ツイート内でも解説している通りだが、ロブパスならインターセプトされる配置やタイミングでも、バックスピン・バウンズパスなら、インターセプトを回避しつつ、レシーブ安定性も高めながらパスを通すことが出来る(場合もある)。

 

 

おまけ:ジェイソン・キッドはさらに、フロントスピンでゴール下まで転がすという妙技も発揮したことがある。実際に使えることはあまりないかもしれないが。

 

 

2020/3/3 追記 

上述した各種コンセプトと共通するコンセプトを多く紹介していらっしゃる動画として、以下をリコメンド。

www.youtube.com

 

 

 

 

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